不公正取引は絶対にやってはいけない違法行為
株式取引をする上で守らないといけないルールの中で最も注意したいのが不公正取引です。
以下のような取引は法律で禁止されており、抵触した場合違法行為として取引の規制なども含めた厳しい対応がとられます。抵触しないよう株式投資をする際は必ず学んでおきましょう。
1.相場操縦
2.作為的相場形成
3.仮名・借名取引
4.空売り規制
5.内部者取引
どのような行為が不公正取引となるか一つずつみていきたいと思います。
1.相場操縦
意識的に相場を操作して、あたかも自然な需給で株価が変動したように見せかけ他人の取引を誘引する行為は相場操縦行為として禁止されています。
具体的には以下の8点が相場操縦行為として禁止されています。
(1)仮装売買
→第三者に誤解させようと、同一人物が同一時間に同一銘柄の売りと買いの注文を出す行為
(2)馴合売買
→第三者に誤解させようと、知り合い同士などで同一時間に同一銘柄の売りと買いの注文を出す行為
(3)見せ玉(見せ板)
→第三者に誤解させようと、売買を成立させる気のない注文を発注しあたかも売買が活況かのように見せる行為
(4)終値関与
→株式の終値を特定の値段より高く(安く)するために終値の形成を意図的に操作しようとする行為
※信用取引の維持率を操作するために計算に使われる終値の形成を意図的に操作しようとする行為
(5)株価固定
→特定の株式の株価を固定することを目的として株価の値上がり、値下がりを調整すること
(6)買上がり・売り崩し
→特定の株式が値上がり、値下がりしているように見せて第三者の取引を誘引する行為
(7)市場関与
→特定の銘柄の大部分の約定を反復して引き受け、株価の形成に大きく影響を与えること
※出来高の極端に少ない銘柄で大量の約定をすることを複数営業日続けて株価を極端に上昇させたなど
(8)高(安)値形成について
→特定の株式の価格を変動させようとして、意図的に高値や安値を反復してつけるような取引を行うこと
どのような取引が該当するかを明確にすることは難しいですが、他人の取引を誘引して株価を操作しようとすることは相場操縦行為として不公正取引になると覚えておきましょう。
2.作為的相場形成
相場操縦と似ていますが、他人の取引を誘引する目的がなくとも実勢を反映しない価格へと作為的に形成したと客観的に認められる場合は作為的相場形成とされ、不公正取引の対象となります。
具体的な取引例はありませんが、調査されたときに言い訳のできないような作為的な価格をつける取引はしてはいけません。
3.仮名・借名取引
株式取引では自己の名義で取引を行うことを原則としており、架空の名義や他人の名義を使用して素性を隠して取引をする行為(仮名取引)、および家族や友人・知人などの口座を借りて口座保有者に成りすまして取引をする行為(借名取引)は禁止されています。
1金融機関における個人の取引口座は1つが原則ですので他人の口座を利用して取引をすることは口座名義人の了解があったとしても不公正取引となる恐れがあるためやってはいけません。
4.空売り規制
信用取引の新規売り(空売り)を行う場合、原則として直近価格以下での発注は禁止されています。
なお、個人投資家が行う50単元以下の注文については空売り規制の対象外となります。(複数注文に分けて注文をして結果的に50単元を超える注文については空売り規制の対象となる。)
5.内部者取引
株式取引において、内部者でしか知りえない情報を事前に取得しその情報を利用して上場株式の売買をすることは禁じられています。いわゆるインサイダー取引ですね。
具体的には上場企業に勤務する方は内部者情報として勤務先の登録が義務付けられており、勤務先の企業の株式を取引する際は証券会社経由で内閣総理大臣(金融庁長官)に売買報告書を提出する義務もあります。
上場会社にお勤めの方で勤務先の株式を売買したい場合は証券会社のコールセンターなどに相談することで売買報告書の提出の仕方などを教えてくれます。
インサイダー取引は非常に重い罪が課せられ社会的信用も失う重大な違法行為ですので、不注意でも内部者取引に触れることがないように取引をする必要があります。
まとめ
不公正取引となる取引について見てきました。
多くの人には関係ありませんが、知らなかったではすまされませんので投資家であれば必ず守るべきルールですので一読しておくと知らずに抵触していたという事故は防げます。
株式投資は儲けるが勝ちのものではありますが、「定められたルール内で」というのは大前提です。
ルールを守らずに得たお金は犯罪で得たお金とほぼ同じですので必ず守るようにしましょう。
特にネット証券で取引をしているとだれも止めてくれる人がいません。リスクも含めて自己責任の世界ですので、知らずに取引していてルールを犯していたということは絶対にないように注意しましょう。
これらのルールを学んだうえで、その中でいかにもうけるかを考えるのが投資家の正しい姿勢ですね。
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