【効率性】総資本回転率で経営の効率性をチェック
効率性をチェックするための指標には総資本回転率という指標があります。
まず企業における効率性とは以下に効率的に経営資源を使用しているかです。収益性と似ていますが、収益性が利益に着目しているのに対して、効率性は経営資源を使って利益以外の指標を効率的に生み出しているかという点を見ています。
総資本回転率は自己資本も負債も含めた会社全体の資本(総資本)を使って売上高をどれくらい効率的にあげているかという点をチェックする指標になっています。
総資本回転率の計算式は以下の通りです。
総資本回転率=売上高÷総資本
投下した資本がどれだけ売上高を生んでいるかの指標で、総資本回転率は回転数の何回という単位になっています。
例えば100億円の資本で1,000億円の売り上げを上げている場合は1,000億÷100億で10回となります。
100億円の資本50億円の売上だと0.5回という形になります。
資本というお金を回して売上を生み出しているという考え方ですね。
ROAとの関係
総資本回転率は資本から売上を生んでいるかの効率性を表しています。そこから生まれた売上からどれだけ効率的に利益を生んでいるかを表しているのは利益率です。
なので総資本回転率と最終利益率を合わせると資本から最終的な利益をどれだけ効率的に生んでいるかがわかります。そう「資本から最終的な利益をどれだけ効率的に生んでいるか」はまさにROAですね。
ROAは当期純利益÷総資本×100という形で算出しますが、以下の算出式でも計算が可能です。
■ROAの計算式
総資本回転率×最終利益率
投資でのポイント
総資本回転率だけをみて投資判断をすることはないです。
資本から売上を生む効率性だけを見ても、肝心の利益をいくら上げているかわかりません。総資本回転率は企業の実力のあくまで一側面にしか過ぎないからです。
それでもROAの数値を因数分解した時に資本から売上を効率的に生み出しているのか、利益率が高いから利益がでているからなのかという分析に使うことになります。
企業のファンダメンタルズを複合的に分析する際の一指標としてとらえるとよいと思います。
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