【収益性2】ROEで自己資本に対する収益性を見る
収益性を測る代表的な指標としてROE(株主資本利益率)があります。
収益性1の記事で紹介した営業利益率が売上に対する利益の割合だったのに対して、ROEは株主資本(自己資本)に対してどれだけの利益を生んでいるかということを表します。
ROEは以下の算出式で計算します。
ROE(株主資本利益率)=当期純利益÷株主資本×100
ROEは高いほど少ない資本で大きな利益を上げているということになりよいとされています。
ROEは株主が自分が投下した資本に対してどれくらいのリターンがあるかという指標のため、法人税などを差し引いた後の最終的な利益である当期純利益を使用します。
株主が投資をする上で非常に重要な指標となるため、欧米では早くから企業経営者の間で意識されてきた指標ですが、日本では株主重視の経営が浸透してきた昨今において徐々に経営者に意識されるようになった指標でもあります。
ROEは株主資本に対する利益の割合ですので、利益が同じ場合は株主資本が少ないほどROEが高くなります。
株主資本には利益剰余金も含まれます。多くの日本の企業は利益剰余金をためていますが、利益剰余金をためているとROEは下がっていくのでROEをあげようとすると剰余金を配当などに出す必要があり、株主還元が高まります。
配当を出すことが常に善ではありませんが、ROEの浸透と株主重視の経営にはこのような相関関係があります。またこのように利益剰余金を吐き出してしまうと自己資本が薄くなり自己資本比率が下がり、経営の安全性は低くなります。株主資本ではなく負債で資本を厚くして利益をあげることでもROEはあがります。(この場合も自己資本比率が下がります。)
このように色々な指標が関連していますが、ROEが投資家にとって重要な指標であることは変わりませんので、収益性を株主資本の観点からチェックしたいときにはROEをチェックしましょう。
ROEの目安は10%といわれ、10%を超えている企業は優良企業といえます。ROEが10%だと10年で利益額が投資分を超えることになりますね。
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