マネックス証券の手数料が高いと感じる人におすすめの証券会社
マネックス証券は数年前まで、ネット証券の中でも手数料が安い証券会社でした。しかしここ数年、株式の売買手数料を下げる証券会社が目立っています。
SBI証券や楽天証券、auカブコム証券なども何度か値下げを行っており、取引状況によっては手数料無料で利用が可能です。
ここではマネックス証券の手数料が高いと感じるかたにおすすめの証券会社や、マネックス証券が選ばれている理由をまとめました。
マネックス証券の手数料が高いと感じる人におすすめの証券会社
マネックス証券の現物・信用取引の手数料形態
現物取引手数料(PC、アプリ共通)
10万円以下 税込110円
20万円以下 税込198円
30万円以下 税込275円
40万円以下 税込385円
50万円以下 税込495円
100万円までの注文はPC注文の場合成行注文が税込1,100円、指値注文が税込1,650円です。100万円を超える場合は成行注文が約定金額の0.1%、指値注文が約定金額の0.15%です。
スマホアプリやモバイルからの注文は50万円を超えると一律で約定金額の0.1%がかかります。
信用取引手数料(PC、アプリ共通)
10万円以下 税込99円
20万円以下 税込148円
50万円以下 税込198円
100万円以下 税込385円
150万円以下 税込660円
200万円以下 税込880円
200万円超 一律税込1,100円
マネックス証券と他社の手数料形態の違い
マネックス証券で国内株式やETFを取引する場合、原則約定ごとに手数料がかかります。
月間手数料が30万円を超えるかた向けの半額還元サービスや、日計り取引限定のポイント還元サービスはありますが、対象者以外は売買手数料が高くなりがちです。
一日定額手数料コースも用意されていますが、最低2,500円のため高額取引を複数回行うかたに向いています。
投資のスタイルによっておすすめの証券会社は異なりますが、マネックス証券より手数料を軽減できるネット証券は豊富です。
他社には約定ごとの手数料が安く設定されている証券会社や、一日定額手数料が安く設定されている証券会社があります。
それぞれのスタイルに合わせた証券会社選びを行いましょう。
SBIネオトレード証券
SBIネオトレード証券は1日の取引回数が少ないかたや、信用取引を行うかたにおすすめの証券会社です。
手数料は一律プランと定額プランが用意されています。一律プランは約定ごとに手数料が発生しますが、現物取引の場合10万円以下の手数料は税込88円、300万円超でも税込880円です。
マネックス証券の場合10万円以下の手数料が税込110円で、300万円の場合はPC注文の成行注文かアプリでの注文で0.1%分の手数料がかかります。300万円の0.1%は3,000円のため、SBIネオトレード証券を利用した時との差は2,200円です。
更に信用取引の場合、SBIネオトレード証券では300万円以下の手数料が税込88円、300万円を超える注文は手数料が無料です。
定額プランは他社と比較すると大きなメリットはありませんが、マネックス証券の定額コースより最低料金が安く設定されているため手数料の軽減は可能です。
SBIネオトレード証券の場合、1日の取引回数が数回以下のかたや信用取引で1回の注文金額が300万円を超えるかたに最適です。
むさし証券
とにかく約定ごとの手数料を軽減したいかたにおすすめの証券会社です。現物取引と信用取引共通の手数料形態で、約定ごとに手数料が発生するタイプと1日の約定金額の合計で手数料が決まるタイプがあります。
むさし証券の場合、10万円までの手数料が税込82円とかなり安く設定されています。
300万円までの手数料も税込484円で格安です。1日の約定金額合計で手数料が決まるボックスタイプは最低金額が300万円までで税込1,320円のためやや高めですが、マネックス証券の一日定額のボックス料金は300万円ごとに2,500円です。
高額取引の手数料も細かく設定されており、1回の約定金額が2,100万円を超え3億円以内の場合は税込3,872円です。マネックス証券は成行注文の場合約定金額の0.1%分がかかるため、3億円の取引を行うと30万円の手数料がかかる計算です。
1日の約定金額も2,700万円以上は一律で税込13,200円のため、取引金額や回数が多いかたにも適しています。
SBI証券と楽天証券
SBI証券と楽天証券は、ほぼ手数料形態が同じです。約定ごとに手数料がかかるコースと一日定額コースがあり、どちらもマネックス証券より手数料が安く設定されています。
どちらも約定金額5万円までの手数料が設けられており、少額取引を行うかたにおすすめです。5万円までの手数料は税込55円で、手軽に利用できます。
また一日定額コースは10万円まで手数料が無料に設定されています。
たとえば1日に2万円の取引を4回行った場合、一日定額コースでは手数料がかかりません。約定ごとに手数料がかかるコースでは50円×4回で税込220円の手数料がかかります。
しかし45,000円の取引を3回行った場合、一日定額コースでは手数料が税込200円に対して、約定ごとに手数料がかかるコースは50円×3回で税込165円となります。
取引回数や金額に応じてコースの変更を行うと、SBI証券や楽天証券を上手く利用できます。
マネックス証券では少額取引でも手数料がかかるため、1日の取引金額がほぼ10万円以下に収まるかたはSBI証券か楽天証券がおすすめです。
楽天証券は約定ごとに手数料がかかる超割コースの利用で楽天ポイントが1%還元されます。また大口適用の場合は超割コースでも10万円まで手数料が無料化されることが特徴です。
SBI証券では約定ごとに手数料がかかるスタンダートプランの利用でSBIポイントが1.1%還元されます。SBI証券も5,000万円以上の大口取引を行っている場合優遇があり、信用取引の手数料が無料化します。
ポイント重視のかたにも最適な証券会社です。
松井証券
一日信用取引を行うかたに最適な証券会社です。デイトレードに限り、信用取引の手数料がかかりません。ほとんど当日中に取引を終わらせるかたの場合、松井証券がおすすめです。
また松井証券では1日の約定金額の合計で手数料が決まることが特徴で、現物取引、信用取引どちらも10万円まで手数料がかかりません。約定ごとの手数料コースはありませんが、信用取引のデイトレードや1日10万円以下の取引のかたは松井証券の場合手数料がすべて無料です。
松井証券がおすすめなケースは、1日の約定金額が30万円までの場合です。信用取引口座開設から6か月間は1日の約定金額合計が30万円まで手数料がかかりません。
また信用取引口座未開設のかたや信用取引口座開設後6か月を越えた場合でも、手数料は税込330円です。100万円ごとに税込1,100円の手数料がかかり、最大では税込11万円が上限です。
取引金額が多いかたは手数料が高くなり、マネックス証券の一日定額コースを利用した方が安くなる場合があります。使い方に合わせて選択しましょう。
auカブコム証券
シニアや女性、NISA口座も同じ証券会社で利用したいかたにおすすめです。また大口取引を考えているかたにも適しています。
auカブコム証券の特徴は、手数料に関する割引が充実している点です。
一日定額手数料は用意されていないため、1日の取引回数が少ない時に活用できます。通常の現物取引手数料は10万円まで税込99円で、マネックス証券よりもやや割安です。
手数料は最大税込4,059円のため、1回の約定金額が高くなる場合でも活用しやすいことが特徴です。
信用取引も10万円までの約定金額では手数料が同額に設定されています。20万円以上50万円以下は税込198円で、500万円以上は一律税込1,320円です。
各種手数料割引は原則、現物取引に適用されます。シニアでは50歳以上60歳未満が2%割引、60歳以上は4%割引です。
女性顧客は一律1%割引が行われます。NISA割はNISA口座をauカブコム証券で開設しているかたが対象で、最大5%割引です。
またauカブコム証券に関連する株式の買付手数料は一定額が割引され、auカブコム証券の株主はすべての現物取引手数料が保有株数、期間に応じて割引されます。
auアプリでの取引手数料が1%割引になることも特徴です。
たとえば50歳以上の女性でauアプリから現物株式を買付し、auカブコム証券でNISA口座開設を行い5年が経過している場合現物取引手数料は通常手数料から更に9%割引されます。
各割引は併用が可能で、上記のケースでは10万円以下の取引は手数料が税込90円です。この他にも株主優待割引なども利用でき、最大では20%以上の割引も可能です。
現物取引が多く1日の約定回数が少ないかたや、auカブコム証券の株式を保有したいかたにおすすめです。
岡三オンライン証券
1日の手数料が10万円をやや超えるかたにおすすめできる証券会社です。現物、信用取引どちらも定額プランを利用すると1日の約定金額が20万円まで手数料無料です。
その分約定ごとに手数料がかかるワンショットコースの手数料はやや高めです。高額取引を1日1回行うタイプには向いていませんが、数万円の取引を複数回行うかたに最適です。
また大口優遇も設けており、プラチナコースとプレミアゼロコースの場合は信用取引手数料が軽減できます。信用取引を使う大口顧客にも適した手数料形態です。
マネックス証券の手数料が高くても選ばれる理由、メリット
米国株の取扱本数が豊富
マネックス証券は米国株式に力を入れている証券会社です。外国株式の取引ができるネット証券は限られていますが、その中でも米国株式の取扱本数が飛び抜けています。
SBI証券や楽天証券でも米国株の取引は可能ですが、取扱本数は1,000銘柄程度です。
マネックス証券では約3,000銘柄の米国株を揃えているため、メジャーな株だけでなく様々な企業の株式を米国市場で直接取引できます。米国の企業に興味があるかたや、夜間にリアルタイム取引を行いたいかたに最適です。
マネックス証券は米国株の取引時間も長く設定されており、他社に比べえて柔軟に取引ができます。
中国株式の手数料は業界でも格安
マネックス証券では米国株の他に中国株の取引ができます。中国株の手数料は他社と比較しても安く設定され、コストを気にせず取引が可能です。
マネックス証券の中国株取引の手数料は税込0.275%で、SBI証券は税込0.286%です。楽天証券は約定代金の税込0.55%の手数料が発生します。
取扱本数が多いわけではありませんが、運用コストが安いため中国株取引をメインに考えているかたにも最適です。
ETFの取扱も多く、少ない手数料で海外株式に分散投資が可能です。
独自のアプリやツールが無料で利用できる
マネックス証券には取引ツールだけでなく様々なアプリやツールがあります。たとえば利用している銀行口座やクレジッドカードのサイトと連携し、資金の使い方や投資についてアドバイスを受けることができるMONEX ONEなど、生活資金も合わせて管理ができるツールが無料で利用できることも特徴です。
また資産状況を元にアドバイスを受けたい場合は、マネックスビジョンもおすすめのツールです。目標に近づくためのアドバイスや追加購入の提案など、今後の投資について診断が可能です。
その他取引ツールも多彩で、無料で利用できるマネックストレーダーの他有料ツールのマーケットライダーも人気です。
スマートフォンでもPCと同様の機能を搭載したアプリが利用できるため、モバイル取引を考えているかたにも最適です。
ポイント還元サービスが豊富
マネックス証券にはマネックスポイント還元サービスがあり、株式売買手数料や投資信託の保有、購入などでポイントが貯まります。
特に還元率が高いのは月間手数料が30万円を超えるケースです。この場合利用用途が限られるポイントの還元ですが、半額分の手数料がポイントで戻ります。
次月以降の株式売買手数料に使用できるため、実質手数料が半額です。
また一日定額手数料コースを利用しているかたで日計り取引を行った場合も手数料が半額分還元されます。株式の売買が多いかたやデイトレードがメインのかたは、手数料の節約が可能です。
投資信託の購入や保有で貯まるマネックスポイントは利用制限がありません。株式売買手数料以外に各種ポイントやマイル、商品などに交換が可能です。
ポイント還元でお得に証券会社を利用したい場合は、マネックス証券がおすすめです。
iDeCoやNISAの取扱商品が充実している
ネット証券でもiDeCoの取扱を行っている証券会社は限られます。またiDeCoの取扱商品は証券会社や金融機関によって異なり、取引したい商品が取り扱われている証券会社を選ぶことがおすすめです。
マネックス証券のiDeCoは指数連動型のインデックスファンドからアクティブファンドまで、様々な商品を取り扱っていることが特徴です。取扱商品が豊富にあるため、複数の商品を組み合わせたいかたや海外ファンドが気になるかたにも向いています。
NISA口座も証券会社によって取扱商品や手数料形態が異なります。特に現物取引や信用取引の手数料を安く設定している証券会社では、NISA口座でも手数料が発生します。
たとえばSBIネオトレード証券の場合、総合口座と同様の手数料がNISA口座の取引でもかかります。またauカブコム証券では買付時の手数料は無料ですが、売却時に手数料がかかることが特徴です。
NISAで株式売買手数料を無料に設定している証券会社は、マネックス証券以外に楽天証券やSBI証券、GMOクリック証券などがあります。
投資信託の取扱本数はSBI証券や楽天証券が多いですが、マネックス証券では総合口座と同様米国株や中国株取引もNISAで可能です。
NISAで外国株取引をした場合、マネックス証券では買付時の手数料が全額キャッシュバック対象です。
ロボアドバイザーが少額から利用できる
マネックス証券では、ロボアドバイザーサービスのマネラップとマネックスアドバイザーが提供されています。マネラップは1,000円から、マネックスアドバイザーは5万円から利用が可能です。
積立設定にも対応し、毎月一定額を積み立てることもできます。
ロボアドバイザーサービスは複数の証券会社やロボアドバイザーの専門会社で取り扱われていますが、証券会社が独自開発したツールは限られています。
マネックス証券以外には楽天証券の楽ラップなどが有名です。
証券会社独自のロボアドバイザーを使いたいかたや、月1,000円からのおまかせ投資を行いたいかたはマネックス証券が適しています。
貴金属取引に対応している
マネックス・ゴールドは貴金属取引に特化した口座です。金やプラチナ投資を扱うネット証券はいくつかありますが、マネックス・ゴールドは金の現物受け取りにも対応しています。
SBI証券も金などを現物受取可能ですが、手数料はドルで計算されるため時期によって手数料が変わります。マネックス・ゴールドは手数料があらかじめ決まっているため安心です。
貴金属取引をメインに考えている場合は、マネックス証券を選ぶかたも多いです。取引手数料は楽天証券と同様で、SBI証券と比較するとやや割高に設定されています。
マネックスグループの株主はポイント還元サービスがある
マネックスグループの株を保有している場合、マネックスポイントが還元されます。保有株式数によっては手数料の一部がポイント還元されるため、利用が多いほど還元されるポイントも高額です。
マネックスグループの株式に興味があるかたは、マネックス証券で株を保有するとお得です。他の証券会社でマネックスグループの株を保有している場合は株主優待の対象から外れるため、注意が必要です。
マネックス証券で株を保有し、一定の取引がある場合保有株式数に応じたポイントが還元されます。
株主優待の権利は年2回あり、優待月は9月と3月です。半年間の取引に応じて還元ポイントの計算が行われます。
専用キャッシュカードの維持費が無料
マネックス証券ではマネックスセゾンカードの発行で、ATMから入出金ができます。マネックスセゾンカードはクレジット機能もついていますが、利用は自由です。
年会費や入会金が発生しないため、カードの発行や維持にお金がかかりません。他にもカードが発行できる証券会社はありますが、SBI証券の場合クレジット機能付を選択すると年会費がかかります。
野村證券ではキャッシュカード機能のみのため、クレジット機能はついていません。
クレジットカードタイプのATMカードが欲しい場合は、マネックス証券が維持費もかからずお得です。
またマネックスセゾンカードを保有している場合、マネックスポイントの還元率が上がります。
保有しているだけで投資信託の購入で還元されるポイントが通常の3倍になり、ポイントを貯めたいかたにもおすすめです。
まとめ
ここまでマネックス証券の手数料形態やその他のおすすめ証券会社、手数料が高めにもかかわらずマネックス証券が選ばれる理由について見てきました。
内容を簡単にまとめておきましょう。
- マネックス証券は他のネット証券と比較すると手数料がやや高め
- おすすめの証券会社は多数あるが投資スタイルによって異なる
- マネックス証券はツールが豊富でポイント還元も多く選ばれやすい
マネックス証券には約定ごとに手数料がかかるコースと一日定額コースが用意されています。しかしどちらの手数料も他のネット証券と比較した場合やや高めです。
たとえば約定ごとの手数料ではSBIネオトレード証券が安く設定されています。
少額取引や1日10万円以内の取引ではSBI証券や楽天証券がおすすめです。約定金額が1日20万円までに収まる場合は岡三オンライン証券が適しています。
一日信用取引など、デイトレードの場合は松井証券が手数料無料です。割引対象に当てはまる場合はauカブコム証券も手数料が大幅に割引されます。
マネックス証券以外のネット証券では利用する手数料コースに応じて、手数料が無料になる特典が用意されていることが大半です。
使い方によっては手数料をかけずに取引ができるため、自分の投資スタイルに合わせた証券会社を選びましょう。
手数料の面では大きなメリットがないマネックス証券ですが、ポイント還元が大きいことやツールの豊富さ、米国株の取扱本数の多さなどで魅力を感じているかたがたくさんいます。
特にポイントで手数料の半額還元対象の場合は、コストも大幅に軽減できます。
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