SBI証券の外貨建てMMF取引の特徴と円貨決済サービス
外貨に投資する方法としてメジャーなのは外貨預金ですが、実は多くの場合外貨預金よりも手数料が安くお得になることが多い商品に外貨建てMMFがあります。
外貨建てMMFは、その名の通り外貨でMMF(極めて安全性の高い債券で運用される投資信託)に投資をする商品で、一般的に外貨預金よりも高金利になっているので、元々外貨預金をしていて金利の高さに気付いて乗り換える人が多い商品です。
さらに外貨建てMMFなら為替差益にかかる税金が非課税(2016年で終了予定)となっており、換金時の非課税メリットから外貨建てMMFに注目している人も多いです。
SBI証券では外貨建てMMFが取引可能になっており、取扱銘柄が多くコストを最小限にすることも可能、さらに2014年12月から円貨決済サービス(円で外貨建てMMFを購入可能)にも対応しており、ネット証券の中でも随一の使い勝手を誇ります。
そこで本記事では外貨建てMMF取引をしたい人向けにSBI証券の外貨建てMMF取引の特徴や取扱銘柄などを紹介したいと思います。
SBI証券の外貨建てMMFの取り扱い銘柄
SBI証券で取引可能な外貨建てMMFは以下の通りです。
■SBI証券で取引可能な外貨建てMMF
通貨 | 銘柄 | 直近利回り(年) |
---|---|---|
米ドル | ニッコウ・マネー・マーケット・ファンド | 0.182% |
米ドル | ノムラ・グローバル・セレクト・トラスト | 0.205% |
米ドル | ゴールドマン・サックス | 0.007% |
カナダドル | ニッコウ・マネー・マーケット・ファンド | 0.250% |
豪ドル | ニッコウ・マネー・マーケット・ファンド | 1.454% |
NZドル | ニッコウ・マネー・マーケット・ファンド | 2.049% |
南アランド | ホライズン・トラスト | 5.584% |
トルコリラ | トルコ・リラ・マネー・マーケットファンド | 8.150% |
※直近利回りは2015/11/30時点のデータを参照
6通貨8銘柄の外貨建てMMFに投資ができるのはネット証券で最多となっており、SBI証券で外貨建てMMF取引をすることで通貨、銘柄の選択肢を広く持つことができます。
また利回りは変動することになりますが、外貨建てMMFの利回りは同じ通貨の外貨預金の金利と比べると約3倍から4倍程度高くなっています。
これだけ差があると外貨預金に預けておくのはもったいないと多くの人が外貨建てMMFを取引する理由がよく分かります。
外貨建てMMFの円貨決済サービス
- 円から直接外貨建てMMFの買付が可能
- 外貨建てMMFの解約時には円と外貨どちらで受け取るかを選べる
SBI証券の外貨建てMMF取引の大きな特徴に円貨決済サービスに対応している点があります。
通常、外貨建てMMFは証券口座にある円を外貨に換えることで購入が可能になりますが、円貨決済サービスはそれを円貨から直接購入できるようにするサービスです。
外貨に換える手間が省ける上、外貨建てMMFの解約時には円貨で受け取るか外貨で受け取るかを選択することができますので、外貨で続けて他の商品に取引したい場合も余計なコストや手間をかけることなく取引することができる便利なサービスです。
2016年からは課税されますが、外貨建てMMFの為替差益の非課税対象にもなりますので外貨預金を介するよりもお得なサービスになります。
SBI証券の外貨建てMMF取引の手数料
- 売買手数料:無料
- 為替手数料:通貨により異なる(取引金額の0.5%程度)
外貨建てMMFの手数料は大きく「売買手数料」と外貨建てMMFを購入するために円から外貨へ換金する際の「為替手数料」の2つがあります。
SBI証券の外貨建てMMFは売買手数料が無料になっており、為替手数料は1米ドルあたり25銭、1ユーロあたり80銭などがかかります。
■SBI証券の通貨ごとの為替手数料
通貨 | 為替手数料 |
---|---|
米ドル | ±25銭 |
豪ドル | ±1円 |
南アランド | ±50銭 |
NZドル | ±1円 |
カナダドル | ±80銭 |
トルコリラ | ±2円50銭 |
為替手数料は売買時にそれぞれかかるので米ドルの場合は1取引に1ドル当たり50銭の手数料がかかることになり、1ドルを120円と考えると、取引金額に対して0.42%の手数料がかかることになります。
なお、各ネット証券の為替手数料は以下の記事で比較していますので、参考にしていただければと思います。
住信SBIネット銀行を活用した為替手数料の節約法
なお、SBI証券と同じグループの住信SBIネット銀行を活用することで、為替手数料を節約する方法もあります。
SBI証券では住信SBIネット銀行の外貨預金口座から外貨を移し、その外貨で外貨建てMMFを購入することができる外貨即時決済サービスを提供しています。
入出金手数料無料、リアルタイムで24時間入出金させることができるので、住信SBIネット銀行の外貨預金口座をSBI証券の買付余力として利用できるのです。
外貨版ハイブリッド預金のようなサービスでかなり便利です。
このサービスを利用すると、SBI証券で為替取引をすることなく(為替手数料をかけることなく)外貨で取引することができます。
為替手数料がかかるタイミングは住信SBIネット銀行で外貨預金を組む際ですので、住信SBIネット銀行の外貨預金の為替手数料がかかりますが、住信SBIネット銀行の為替手数料は米ドルなら1ドルあたり9銭と圧倒的に安いのでSBI証券で為替取引をするよりも低コストで外貨建てMMFの取引ができます。
他の通貨についても以下のように住信SBIネット銀行の方がコストが安いので、外貨即時決済サービスを活用することで為替手数料を節約することができます。
■SBI証券と住信SBIネット銀行の為替手数料の比較
通貨 | 為替手数料 | |
---|---|---|
SBI証券 | 住信SBIネット銀行 | |
豪ドル | 1円 | 30銭 |
NZドル | 1円 | 30銭 |
カナダドル | 80銭 | 40銭 |
南アランド | 50銭 | 15銭 |
おおむね為替手数料を半額から3分の1以下にすることができます。これは大きいですね。
さらに住信SBIネット銀行では毎月25日から3営業日の間は「外貨特BUY日」として、外貨の買付にかかる為替手数料がすべて無料になります。
これを利用することで外貨建てMMFにかかるコストを完全に無料にすることができます。
取引の前に外貨に交換してしまうと、その分だけ為替リスクを負うことになるので、あまり為替手数料ゼロにこだわりすぎるのも良くないですが、取引のタイミングとあえばぜひ活用したいですね。
2016年からはさらに活用の幅が広がる
また、住信SBIネット銀行の外貨預金を活用する方法はこれまでは売却時に外貨預金を介すると為替差益の課税対象となり、外貨建てMMFの非課税メリットがなくなってしまうため買付時しか利用できない点が難点でした。
しかし2016年から外貨建てMMFの売却益に課税がされるようになることで、売却時に外貨預金を介しても税率は変わらなくなりました。
そのため売却時にも住信SBIネット銀行の外貨預金経由で為替取引をすることで、往復分の為替手数料を節約することができるようになり、米ドルの場合1ドルあたり50銭から18銭と大幅に為替手数料を節約することができるようになります。
手数料率は約0.42%から0.15%と約3分の1まで削減することができるようになります。
2016年からは外貨建てMMFの売却益に対する課税が始まる分、住信SBIネット銀行を使って為替手数料を積極的に節約していきたいですね。
住信SBIネット銀行ではその他にもSBI証券と一緒に活用することで様々なお得や便利な点がありますので、SBI証券を利用している人はぜひ持っておきたい銀行といえます。
その他の取引ルール
SBI証券の外貨建てMMF取引におけるその他の取引ルールは以下のようになっています。
■SBI証券の外貨建てMMF取引ルール
項目 | 内容 |
---|---|
売買手数料 | 無料 |
買付単位 | 10米ドル以上1米セント単位10カナダ・ドル以上1カナダ・セント単位10豪ドル以上1豪セント単位10NZドル以上1NZセント単位10南ア・ランド以上1南ア・ランドセント単位10トルコリラ以上1トルコリラセント単位円貨決済はすべて5,000円以上1円単位 |
売却単位 | 1米セント単位1カナダ・セント単位1豪セント単位1NZセント単位1南ア・ランドセント単位1トルコリラセント単位 |
決済方法 | 外貨決済、円貨決済 |
注文受付時間 | 原則24時間 |
注文締切時間 | 国内営業日10:30または14:30までの注文を当日中の注文として処理 |
米ドルの外貨建てMMFであれば10米ドルから注文が可能なので、かなり小口から取引をすることができます。外貨建てMMFは商品的には投資信託に分類されますが、ほぼ外貨預金感覚で取引することが可能になっています。
外貨建てMMFの課税ルール
外貨建てMMFの収益には主に保有時の分配金による収入と売却時に為替差益によって発生する売却益の2種類があります。
分配金については利子所得として一律で20%の源泉徴収により分離課税がされます。この点は外貨預金の利子と同じですね。また売却益については原則非課税となっています。
外貨預金の為替差益については雑所得として総合課税の対象(20万円以上の場合)になることを考えると、外貨建てMMFが税制上のメリットがあることがわかります。
ただし外貨建てMMFの課税関係についてはちょっとグレーで、外貨建てMMFの売却と一体になっていない為替取引については外貨預金同様に雑所得として総合課税される可能性があるようです。不明点がある場合は必ず税務署に確認をするようにしましょう。
またこの外貨建てMMFの売却益非課税についても税制改正が行われ、2016年1月からは為替差益についても20%の申告分離課税の対象となります。(一方で株など他の金融商品との損益通算も可能になります。)
外貨建てMMFの非課税メリットを受けられる人は2015年末までですので、外貨建てMMFで為替差益の含み益を抱えている人は2015年末までに一度確定させた方がお得になります。
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