NISAを120%活用する投資商品と投資戦略
ここまでNISAで最大限得するための考え方やNISAのメリット・デメリットや注意点でNISAの制度概要やメリット、デメリットについて書いてきました。
ここでは実際にNISAに投資する商品として何がふさわしいか?またその投資戦略としてはどのような投資方法が向いているのかという点について考えていきたいと思います。
NISAに向いた商品とは?
NISAに向いた商品を考えるにはまずNISAの特徴を考える必要があります。
NISAには以下の特徴があります。
非課税対象となる商品は株式か投資信託である
まず大前提として非課税の対象になる商品は株式か投資信託です。
NISAで非課税メリットを受けるには株式か投資信託で利益を得る必要があります。
毎年非課税枠が120万円分付与される
次に非課税枠120万円は10年間で毎年付与され最大600万円まで使用できます。
そのためある程度安定した投資機会がある商品に投資する必要があります。
どういうことかというと、例えばある株式が暴落をして底値で買えたとして、その年は大きな利益が出ますが、それを毎年行うことは難しいです。
NISAで投資すべきなのは5年間にわたって安定して投資機会がある商品が適しているといえます。
非課税枠120万円内の投資であれば、投資後5年間で発生した利益はすべて非課税となる
3点目にNISAは非課税枠内の投資について、投資後5年間で発生した利益は原則すべて非課税となります。非課税となる額に上限はありません。
そのため5年間で最大の利益が狙える商品がNISAに適しているといえます。
非課税枠120万円は一度使用すると、売却しても二度は使えない
4点目は回転売買ができないという点です。
NISAの非課税枠は使用して投資した商品を売却した場合でも再度非課税枠が使用できません。(新規の非課税枠を都度使用することになる)
これはNISAでの投資は回転売買は適さないということがいえます。
そのため一度の売買で大きく利益を上げることができる商品・投資方法をとる必要があります。
NISAで出た損失は特定口座と損益通算ができない
最後にNISA口座で損失が発生した場合は特定口座内の損益と損益通算することができません。例えばNISA口座で120万円の損失が発生し、特定口座で120万円の利益が出た場合、両方特定口座内にあれば損益0で課税はされませんが、損失が発生した商品がNISA口座にあるので特定口座で得た120万円の利益は課税対象となってしまいます。
NISA口座で損失が発生した場合の注意点は他にもありますが、とにかくNISAでは損失が発生することを想定していません。そのためNISA口座で損失が発生すると特定口座で損失が発生した場合より損をする可能性があります。
とにかくNISA口座では損してはいけません。そのため投資をする際は損失が発生する可能性が限りなく低い商品・戦略をとる必要があります。
NISAに向いた商品の条件は・・・
これらを鑑みるとNISA口座で投資すべき商品の条件は、以下の条件であることがわかります。
1.安定した投資機会がある商品
2.5年間で最大の利益が狙える商品
3.一度の売買で大きく利益を上げることができる商品
4.損失が発生する可能性が限りなく低い商品
結論、すべての条件を満たす商品はありません。
投資機会があり、収益の期待が大きく、損失の可能性が低いという当たり前のようですが相反する条件のため、これらの条件に優先順位をつけて投資商品を決めていく必要があります。
当サイトが考えるNISA向きの商品・投資戦略
当サイトが考えるNISAに向いた商品はIPOとインデックスファンドの積み立て投資、海外ETFの積み立て投資です。
IPO
まずはIPOです。
IPO投資をNISA口座で行うことの評価
安定した投資機会がある | 5年間で最大の利益が狙える | 一度の売買で大きな利益が期待できる | 損失が発生する可能性が低い |
---|---|---|---|
△ | ○ | ◎ | ○ |
IPOは新規公開株式の取引のことで、公募価格という価格で購入し、上場日に投資家の需給で「初値」という価格がつきます。IPOはご存知の通り、多くの株が今後の成長を期待して買われるため上場直後は株価が大きく上がることが多いです。そのため個人投資家にも大変人気の取引です。
公募価格で買うことができ、大きく株価が上がれば一度の売買で大きな利益を得ることができます。また値下がりするリスクも普通に上場後の株を買うよりは低いですね。
これはNISA投資の条件にはまりますね。
一方でIPOは応募者が多数のため抽選になることがほとんどですので5年間毎年あたるという人もほとんどいないでしょう。そういう意味で安定した投資機会があるとは言えません。この点がデメリットです。
また、IPOの投資についてはNISA口座で可能か検討中のようで確定していません。おそらくIPOもNISAで投資可能になるでしょうが、確定していないという点では少し不安が残ります。
インデックスファンドの積み立て投資
次にインデックスファンドの積み立て投資です。
インデックスファンドの積み立て投資をNISA口座で行うことの評価
安定した投資機会がある | 5年間で最大の利益が狙える | 一度の売買で大きな利益が期待できる | 損失が発生する可能性が低い |
---|---|---|---|
◎ | △ | △ | ○ |
インデックスファンドとは日経平均株価などの株価指数に連動するように設計された投資信託のことです。指数ごとの投資対象に投資が可能で、かつ複雑なファンドよりも運用コストが安いことが特徴です。
このインデックスファンドを積み立て投資することで投資利益の最大化を目指します。積み立て投資とは毎月一定の額を買い付けていく投資手法で年間120万円を投資する場合、一度に120万円を買い付けるのではなく、毎月10万円投資信託を買っていきます。
積み立て投資には買付単価の平均化の効果があり、年間で株価が大きく動いていたとしても毎月同じ額を購入するので価格が高い時には少なく、安い時には多く買えます。結果として購入した平均単価は最安値ではないですが、高値ですべてつかむということもなく平均的な価格で購入することができます。このような効果をドルコスト平均法といいます。
積み立て投資することで取得単価を安定させつつ、低コストでおおよそ市場平均の増減率で運用可能なインデックスファンドを5年間の長期投資することで収益を狙うという戦略です。
収益性とリスクを考えると、現制度内で投資をするのであればこのような戦略がベターなのではないかと考えています。
海外ETFの積み立て投資
また、海外ETFの積み立て投資も有効です。
海外ETFの積み立て投資をNISA口座で行うことの評価
安定した投資機会がある | 5年間で最大の利益が狙える | 一度の売買で大きな利益が期待できる | 損失が発生する可能性が低い |
---|---|---|---|
◎ | ○ | ○ | △ |
先のインデックスファンドの積み立て投資とほぼ同じ戦略ですが、海外にも投資してより収益を狙いたいという方は投資対象を海外ETFとしても面白いと思います。
インデックスファンドと比較して、取引手数料が発生する点と、海外投資になるため為替リスクがありますが、反面、海外に投資が可能で、信託報酬が安く、為替利益が発生する可能性もある海外ETFは収益性の点で魅力があります。
インデックスファンド同様、5年間の積み立て投資である程度リスクを低減できているので、収益性を追求したい方は海外ETFの積み立てがよいのではないかと考えています。
まとめ
NISAを活用するための投資商品と投資戦略について考えてきました。
内容をまとめると以下のようになります。
ポイントとしてはNISAの制度から考えられるNISAに適した商品の条件でしょう。
非課税枠が毎年与えられることから「毎年収益をあげられるような投資機会がある商品」、非課税枠内の利益はすべて非課税であることと非課税枠の使用は一度であることから「一度の売買で大きな利益をあげられる収益性」、損失を想定していないNISAの制度から「損失の可能性が低い商品」である必要があります。
もちろんすべてを満たす商品というのは難しいですが、これらの中で優先順位をつけて投資商品を決定していく必要があります。
当サイトのおすすめは一番イメージがはまるIPO。当選するのであればという条件付きですが、一度の売買で最も大きな利益を期待することができます。ネット証券各社にはぜひ対象としてもらいたいと思いつつ、当選した場合はぜひNISA口座で取引したい商品です。
IPO以外ではインデックスファンドor海外ETFの積み立て投資がおすすめ。NISAの制度上、積み立て投資が向いているのは間違いなく5年という期間制限はありますが、長期投資で利益を出すというのが基本戦略になると思っています。
では次に各証券会社のNISAの対応・サービス内容について確認しておきましょう。
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