NISAの3つのメリットと12個のデメリットや注意点
ここではNISAのメリット、注意点・デメリットを整理します。
金融機関などではどうしてもメリットを強調しがちですので、当サイトでは注意点・デメリットをきちんと理解してもらう目的で本記事を書いています。NISAに対する気持ちが少しなえましたら金融機関のページなどを見ていただくことをおすすめします。
少し長いですが、ここがNISAの肝ですのでぜひ最後までお付き合いください。
またこの記事はNISAの制度概要については説明していませんのでNISAの制度内容を知りたい方はこちらをご覧いただいた後、本記事を読んでもらえるとわかりやすいと思います。
NISAのメリット・デメリット
現時点でNISAには以下のメリットとデメリット・注意点があると考えています。
1.非課税枠・非課税となる条件上の制約
2.既存の証券口座(特定口座)との間の制約
3.NISA口座開設の制約
見ていただくとわかる通り、NISAは注意点が多いです。。
やはりなかなか簡単には非課税という大きなメリットにはたどりつけませんね。
ただ、整理してみていくと、NISAに向いている商品が見えてくるので、それぞれの項目について見ていきましょう。
NISAのメリット
NISAのメリットは何といっても毎年120万円の非課税枠の中の投資における、投資後5年間に発生した利益は無制限で非課税になるという点です。
期間は5年間の間と決まっているので、「5年間の間で出た利益は非課税」ということになりますが、希望すれば新たに非課税枠を使用して期間を延長することができます。
金融商品への投資で得られる利益で非課税というのも数少ないので、それだけでもうれしいですが、国内在住の20歳以上の人すべてがNISA口座を開設することができる対象の広さも魅力です。
NISAのデメリット・注意点
一方NISAにはいくつかの注意点もあります。
制度内容が若干わかりづらいので細かくあげると10以上あるのですが、
大きくわけると・・・
1.非課税枠・非課税となる条件上の制約
2.既存の証券口座(特定口座)との間の制約
3.NISA口座開設の制約
でそれぞれ注意点があるので、これらの注意点を考慮した上でNISAでどのような投資をすべきかを考える必要があります。
1.非課税枠・非課税となる条件上の制約
まずは非課税枠の、あるいは非課税となる条件の制約です。
非課税枠・非課税となる条件上の制約は7点あります。
非課税になるのは毎年120万円までである
1つ目は非課税になるのが毎年120万円までであるという点です。少額投資非課税制度ですので、しょうがないですが、まずはこの点を注意点として理解しておきましょう。
一度利用した非課税枠は売却してもう一度使えるわけではない
次に一度利用した非課税枠は投資した金融商品を売却すればまた使えるという性質のものではなく、非課税枠は1度だけしか使用できません。そのため回転売買には向かない制度であるといえます。
分配金の再投資は新規投資とみなされる
また、投資信託などで分配金再投資型のものがありますが、NISAは分配金の再投資も新規投資とみなします。そのため複利効果が効きませんので分配金再投資の投資信託はNISAに向いていないかもしれません。
毎年120万円の非課税枠は翌年に繰り越しができない
なお、毎年120万円の非課税枠は翌年に繰り越せません。なので、毎年使い切る必要があります。
この制約は与えられた非課税枠が消えてしまうかもしれないという点と、駆け込み需要が発生してしまうという点がポイントです。
NISAが参考にしたISA制度があるイギリスでは、毎年非課税枠がなくなる最終月には年間のISAに関する広告費の7割が使われるとも言われており、「非課税枠を使い切りましょう」ということがしきりに広告されるそうです。
日本でも同じ現象になることは目に見えていますが、非課税のメリットはあくまで利益がでないと意味がないので、投資をして損失が発生しては意味がありません。
さらにNISAは10年間で500万円分しか使えないので、焦って毎年使い切る必要は必ずしもありません。
とにかく金融機関に駆け込ませられないようにしましょう。
非課税となるのは新規投資後、5年以内の利益となっている
非課税となるのが新規投資後、5年以内に発生した利益となっている点も重要です。
実はこの点がイギリスのISAと日本のNISAの違いでもあります。
イギリスでは新規投資から発生した利益に期間の制限がないので、多くの人が投資信託を長期で保有して非課税のメリットを得ているそうです。
120万円で1回の売買では、短期売買して得られる利益と何十年もかけて長期投資した利益では後者の方がまず有利ですので、みな長期投資しますよね。この点がとてもわかりやすい。
しかし、日本ではなぜか非課税になる利益に「新規投資後5年間」という制限がついているので、NISAでの商品選びを難しくさせています。
前述したとおり、5年間終了後に新たに非課税枠を使用することで期間を延長できますが、そこに優位性はなく、あくまで非課税枠ごとに5年間で一番利益がでる商品を選ぶ必要があります。
信用取引は対象外
信用取引はNISA口座の対象外です。
限られた資金と限られた時間の中で多額の利益を得るということを考えたときに信用取引が真っ先に浮かびますが、NISAではレバレッジをきかせることができないので、現物取引の中で利益を出していかないといけません。
制度の基本的考えに長期投資があるので信用取引が対象外なのは当然といえば当然ですが、この点は理解しないといけません。
対象商品は株式と投資信託で、債券などは対象外
またなぜか債券は対象外となっています。
長期投資推奨という基本的な考え方でいえば対象となってもよさそうですが、とにかく対象は株式と投資信託です。
そのためNISA口座では株式と投資信託に投資をする必要があります。
以上が、非課税枠・非課税となる条件上の制約です。
2.既存の証券口座(特定口座)との間の制約
次に既存の証券口座(特定口座)との間の制約です。
既存の証券口座(特定口座)との間の制約は3点あります。
すでに保有している株式、投資信託はNISA口座へ移管できない
まず、すでに保有している株式、投資信託が今後値上がりしそうだという場合にNISAへ移管するということはできません。
どうしてもNISA口座で持ちたいという場合は、現在保有している株、投信は決済して改めてNISAで新規に取引しなおす必要があります。
特定口座(他の口座)との損益通算ができない
特定口座(他の口座)との損益通算ができないという点も大きな制約の一つです。
万が一NISAで損失が発生した場合、NISA口座ではない証券会社の口座(特定口座)で利益が発生していたとしても損益通算ができません。
もしこの商品を特定口座で同じ商品を買っていた場合は損益通算ができるので、NISAで取引した時の方が損をするということになります。
もちろん投資時点ではわからないことですが、NISAでは損失する可能性が低い商品に投資する必要があるといえます。
特定口座であればできる3年間の損失繰越控除ができない
特定口座のメリットを受けることができないという点では、NISAで損失がある場合には、特定口座であればできる3年間の損失繰越控除ができないという制約もあります。
このようにNISAで損失を出すと、非課税枠を使ってしまうだけでなく、損益通算も損失の繰越控除もできないという泣きっ面に蜂の目も当てられない状況になってしまいます。
繰り返しになりますが、NISAでは損失する可能性が低い商品に投資する必要があるといえます。
3.NISA口座開設の制約
最後にNISA口座の口座開設における制約です。
NISA口座開設の制約は2点あります。
NISA口座は全金融機関で1社しか開設することができない
現時点でNISAの口座は全金融機関で1社しか口座開設することはできません。
金融機関ごとにNISAで取引可能な商品やその手数料には違いがありますので慎重に選びましょう。
一度口座開設をすると、最長4年間は他のNISA口座を開くことはできない
また、一度NISAの口座開設をすると最長4年間は他の金融機関でNISA口座を開設することはできません。
1社しか口座を開設することができず、かつ最長4年間はその会社以外のNISA口座開設ができないので口座開設を慎重にしないといけないということがわかりますね。
ただしNISA口座の制約については、今後NISA口座は複数開設できるように制度改正が検討されています。そのため今後は制約でなくなる可能性が高いです。が、とにかく現時点では金融機関選びは特に慎重になる必要があるといえます。
以上がNISAの注意点です。
まとめ
NISAのメリットやデメリットを見てきました。
NISAの非課税のメリットは大きく、少額とはいえぜひこのメリットを享受したいですが、一方で多くのデメリットがあり、それを見てきました。
ポイントは非課税対象が少額であることと、一度使用したら売却して再利用ということはできず、損失が出てもそれで非課税枠が終わってしまうという点でしょう。
また損失が出ても特定口座との損益通算もできないので目も当てられません。NISAで損失を出してしまうのが最も損をするパターンのように思えます。
このような特徴から「5年以内」に「少額」で「確実」に「多額」の利益を稼ぐ必要があります。
もちろんこのような金融商品はなかなかありませんので、各条件の中で自分が重視するポイントを絞ってNISAで投資する商品を選択する必要があります。
次回は実際にどのような商品を選べばよいか、また当サイトでおすすめのNISAで投資する商品例を考えていきたいと思います。
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