株初心者におすすめの株主優待とタダ取り可能な有利な投資法

最終更新日: 2021年11月4日 記事内に商品プロモーションを含む場合があります

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株主優待生活をしている桐谷さんの存在もあり、株主優待の注目度が高まっています。

「株主優待をもらって楽しく株式投資をする」ということは株の入門本などでも述べられており、ある意味投資の王道でもあります。株をはじめようという人の中には株主優待に興味を持ち、株主優待目的で投資を始めてみようという人も多いです。

「企業は株主優待をするくらいなら配当金を出すべきで、そのような企業に株主優待目的で投資をするのは良くない」と主張する人もいますが、投資の入り口として株主優待に興味を持つことは良いことですし、実際に株を持って色々なものがもらえるのは楽しいので長く株式投資をすることができます。

株主優待をやめると企業の株価はぐっと下がることも多いので、株主優待をしていない企業に投資したからといって勝てるわけでもありませんしね。

投資法によっては株価の変動を受けることなく優待をゲットすることもできますので、株主優待の魅力や得る方法、タダ取りできる投資法やおすすめ銘柄などこれから株主優待投資をするのに必要な情報を紹介したいと思います。

株主優待の基本

  • 株主優待は企業から株主に自社の商品やサービスが受けられる商品を贈る制度
  • 株主優待を実施している企業は1,000超
  • 株主は年に1,2度決められた日に株主名簿に名前があると優待を受けることができる

株主優待とは
株主優待とは、企業が自社の株を一定以上持っている株主に対して、自社の商品やサービスが受けられる商品券などを贈る制度のことです。

簡単に言うと、企業から株主に向けて贈られる感謝の品、プレゼントといったところでしょうか。優待は年に1、2回その時に株主だった人に贈られるものですので、まさに株主でいてくれたお礼の品です。

送られる優待は食品会社であれば食品、テーマパーク運営会社では1日パスポート、レストランの会社では食事券など、生活に密着したものやもらって嬉しいものが多く、魅力的なものが多いため株主優待目的に投資をしている投資家の人もいます。

中には株主優待だけで生活している強者もおり、その最も有名な投資家がテレビやイベントでも人気の桐谷さんといえます。

株主優待は任意の制度ですので、全ての企業が株主優待を実施しているわけではなく、一部の企業のみ実施している制度です。株主優待を実施している企業の株を株主優待株と呼び、優待目的の投資家により取引がされています。

株主優待を実施している企業は1,000社以上ありますので、企業の事業内容によって様々な優待が提供されていますので、自分の好みや生活スタイルにあった優待をしている企業が見つかる可能性はかなり高いです。1,000社以上だと探すのも大変ですが、一種の宝探し感覚で楽しむこともできます。

会社四季報の一番最後に株主優待実施企業とその内容が一覧になっていますので、ざっと見るだけでも楽しく自分に興味がある株主優待が見つかると思います。

株式投資は、企業のファンになりその企業を応援するために株を持つのが王道の一つですので、そのような投資をしていきたい人にとって株主優待は非常にうれしいものになります。

  • 値上がり益や配当とは別に商品や金券がもらえる
  • 安定収益となる
  • 少額投資でもらうことができる
  • 企業の事業内容を知るきっかけとなる

株主優待のメリット
株主優待のメリットは何といっても株を持っているだけで商品や金券がもらえる点です。

株式投資の損益で多くを占めるのは株価の上下、つまりキャピタルゲインになりますが、配当金や株主優待など株を保有していることで入るインカムゲインは中長期的に見ると安定的な利益をもたらします。

安定的な利益があることで株価の変動に一喜一憂することなく、安心して投資に取り組むことができます。

また株主優待は比較的少ない持ち分で得ることができますので、少額投資家にとってメリットが大きい制度です。少ない資金だと大きな値上がり益を狙うことができない時でも優待でメリットを得ることで株式投資の醍醐味を十二分に味わうことができます。

さらに優待は企業の事業内容に沿ったものであることがほとんどですので、その企業の事業内容を知る良いきっかけにもなります。

株式投資をしているとどうしても株価の変動に目がいき、これから上がるか下がるかということに心が囚われてしまい、企業の事業内容にまで目がいかないこともあります。

株式優待があることでその企業の事業内容を知ることができ、商品やサービスを通してその企業の事業を肌で感じることができるメリットもあるといえます。牛丼で有名な吉野家は株主優待で人気の銘柄の一つですが、吉野家の株主優待はグループ企業の京樽やはなまるうどんでも利用することができます。

意外にこれらのお店が吉野家グループであることは知られておらず、私自身もその企業の意外な一面を見た気がしました。

このように株主優待はその企業の事業を知る一助となることもあり、メリットといえます。

  • 株価が変動して株主優待以上の損失を負う可能性がある
  • 大口株主には不利

株主優待目的の投資の注意点
このように株主優待目的の投資はメリットが多く楽しいものですが、投資である以上注意点もあります。

最も注意したいのは株価変動のリスクがある点です。

「株価が変動するなんて当たり前だしわかってる」と思う人も多いかもしれませんが、株価の変動による損失は大きく、株主優待でもらえる金額よりも大きくなることもあります。

優待を少額でもらえるからといって飛びつくと、最悪企業が倒産して株が紙切れに・・・なんてこともありますので注意が必要です。倒産はしないまでも株主優待はあくまで任意の制度ですので、突然株主優待が終了、改悪がされる可能性は大いにあります。

そのため株主優待目的で投資をする際には最低限の企業の業績はチェックして、赤字企業は選ばない、安定的に利益が成長している会社を選ぶなど、自分なりのルールを設けて株価変動リスクを最小限に抑える努力が必要になります。

少しテクニカルになりますが、株価変動リスクをなくす「クロス取引」といわれる手法もあります。後述していますので、気になる人はチェックしてみてください。

「企業の財務情報を見る」というと小難しいと感じる人もいるかもしれませんが、その企業が過去数年間どれくらいの利益(損失)を出しているかは、「損益計算書」という最も基本的な財務諸表を見ればわかりますし、企業の決算説明用のプレゼン資料を見ると視覚的にもわかりやすいので特別な知識は必要ありません。

株式投資はどちらかというととりあえずやってみるという「行動力」の方が重要です。株主優待に魅力を感じたなら、まずは情報収集や株を買うための手続きなどを色々やってみると良いでしょう。


株主優待を受けるには

株主優待をもらうには証券会社で株を買うだけ
株主優待をもらうには、権利確定日と呼ばれる基準日にその企業の株主である必要があります。そのため権利確定日より前に株を買っておき保有していれば自動的に優待をもらうことができます。

株を買うには証券会社の口座を作って購入する必要がありますので、まったくのゼロから株主優待を受け取りたい人であれば、まず証券会社に口座を作り、買う株を決めて、買い注文を出して株を購入し、権利確定日を迎える必要があります。

■株主優待をもらうまでの流れ

  1. 証券会社に口座を作る
  2. 株主優待をもらう銘柄を選ぶ
  3. 株を購入する(買い注文を出す)
  4. 権利確定日を待つ
  5. 株主優待の到着を待つ

少し面倒なように感じるかもしれませんが、基本的には証券会社に口座を作って株を買っておくだけで、あとは放置していても毎年株主優待をゲットすることができます。

必要となる株数や資金
株主優待をもらうには企業ごとに決めている必要株数だけ株を保有している必要があります。そのため株主優待をもらうために必要な株数は企業により異なります。

  • 株主優待をもらうために必要な資金は企業によって異なる
  • 10万円以下で優待をもらえる株もある

1株の企業もあれば、1,000株の企業もあります。1株あたりの価格も会社により異なりますので、株主優待をもらうのに必要な資金も企業ごとに異なります。

各企業の株主優待を受け取るのに必要な資金は「株主優待を受け取るのに必要な最低株数×株価」ということになります。

株価は日々変動しているので、明確にいくらということは言えませんが、有名な株主優待銘柄の優待を受け取るのに必要な資金は以下のようになります。

■主な株主優待銘柄の優待を受け取るのに必要な資金

企業名
(銘柄コード)
優待獲得株数 株価 必要最低資金
カゴメ
(2811)
100株 1,923円 192,300円
日本マクドナルドホールディングス
(2702)
100株 2,710円 271,000円
ANAホールディングス
(9202)
1,000株 348円 348,000円
オリエンタルランド
(4661)
100株 712.9円 712,900円

※株価は2015年10月5日終値

上記の企業の場合、株主優待をもらうために必要な資金は約19万円から71万円ということになります。

少し高額だと感じる人もいると思いますが、10万円以下で株主優待がもらえる企業もあります。資金が限られているという人はネット証券の株主優待検索機能で10万円以下で投資できる企業を探して投資するのも良いと思います。


おすすめの株主優待

使える株主優待を選ぶ
はじめて株主優待銘柄に投資する際は結局どの企業が良いのか、お得なのか知りたいと思います。

投資金額に対して多くの価値のある(還元率の高い)株主優待を実施している企業がお得で良いですが、株主優待は現金ではありませんので配当と異なりもらう人によって価値が異なります。

どんなに還元率が良くても使いづらければ意味がないですし、使えないと期限を迎えて紙切れになってしまう可能性もあります。

そのためおすすめの株主優待は、還元率が比較的高く、多くの人が使いやすく喜ばれる(であろう)株主優待を投資金額ごとに紹介します。また記事執筆時点で、経営状態があまりにも悪い銘柄は株価変動リスクが大きいので初心者向きでないと考え排除しています。

まずは10万円以下でもらえるおすすめの株主優待です。

10万円以下でもらえる株主優待

企業名
(銘柄コード)
優待内容 必要最低資金 優待確定月
きちり
(3082)
3,000円相当の優待券 68,300円 12月
アトム
(7412)
グループ店舗で利用できるポイント2,000円分 65,700円 3月、9月
レオパレス21
(8848)
自社海外ホテル(グアム)無料宿泊券2枚
国内ホテル50%宿泊割引券2枚
57,100円 3月、9月
メガネスーパー
(3318)
30%割引優待券1枚 5,300円 4月、10月
ラウンドワン
(4680)
500円割引券4枚 48,900円 3月、9月
タカラトミー
(7867)
自社サイトでの商品購入10%割引 62,200円 3月、9月
ユニカフェ
(2597)
自社製品(コーヒーセット)2,000円相当 87,700円 3月

※必要資金は2015年10月5日終値から試算

きちりは女性に人気のおしゃれなダイニングバーなどを経営している会社で、運営しているお店で使える3,000円相当の優待券を受け取ることができます。20代、30代だけでなく、40代以上の大人でも嬉しい優待です。少ない資金で優待を得ることができ、還元率も高いので人気の優待銘柄となっています。

アトムも居酒屋を運営している会社で人気の優待銘柄です。親会社であるコロワイドの店舗でも利用することができるので、北海道やにじゅうまる、甘太郎などの大手居酒屋チェーンで利用することができます。コロワイドよりも少ない金額で優待を得ることができるので優待目的の投資家に人気の銘柄となっています。

食事以外では、単身者向け物件の賃貸を中心とした不動産業を営むレオパレス21では自社が運営している国内海外のホテルの宿泊割引券や無料宿泊券を優待として提供しています。旅行費用が浮くことになるのでどんな人でも嬉しい優待なのが嬉しいですね。

メガネスーパーは30%割引という大きな割引率と5,000円という少ない金額で優待を取得できる点が魅力の銘柄です。メガネは頻繁に買うものではなく、そもそも不要な人もいて全ての人に有用な優待というわけではありませんが、メガネが必要になったタイミングで優待を狙いにいっても良いかもしれません。

ラウンドワン、タカラトミー、ユニカフェはそれぞれの自社商品、サービスを受けることができますので、アミューズメント施設やおもちゃ、コーヒーとそれぞれ興味がある人は優待を狙っても良いと思います。

続いて20万円以下でもらえるおすすめの株主優待です。

20万円以下でもらえる株主優待

企業名
(銘柄コード)
優待内容 必要最低資金 優待確定月
吉野家
(9861)
300円飲食券10枚 156,500円 2月、8月
ダイヤモンドダイニング
(3073)
グループ店舗で利用できるポイント4,000円分 106,400円 2月
楽天
(4755)
合計8,300円の自社サービスクーポン3種類、楽天証券口座での自社株式(現物)購入手数料30%ポイント還元、他多数 162,300円 12月
イオン
(8267)
半年間上限100万円の買物総額に対し、キャッシュバックで3%割引 197,200円 2月、8月
ヴィレッジヴァンガード
(2769)
1,000円相当の買物券10枚 169,900円 11月
すかいらーく
(3197)
2,000円相当の優待食事券 155,600円 12月
カゴメ
(2811)
自社商品(食品・ジュース等)1,000円相当 192,300円 6月、12月
ビックカメラ
(3048)
1,000円相当の買物優待券 107,800円 2月、8月
ホットランド
(3196)
1,000円相当の株主優待券 168,700円 6月、12月

※必要資金は2015年10月5日終値から試算

使い勝手という意味では、一部の人にとっては毎日のように利用する吉野家の300円優待券10枚はかなりポイントが高く、すぐに使い切ってしまう優待といえますね。実際に吉野家は優待銘柄としてとても人気です。

ダイヤモンドダイニングはおしゃれなダイニングバーを経営している会社で、展開している店舗で利用できるポイントをもらうことができます。お店自体もおしゃれで料理もおいしいですが、社長が女優の高岡早紀さんと熱愛報道があったことでも有名な人です。「ここで高岡さんを口説いたのかな」なんて思いをはせながら株主優待で食事してみるというのもおつ(?)かもしれません。

楽天はこの会社のサービスのように複雑な優待を複数提供していますが、8,300円相当のクーポンや楽天証券の手数料30%キャッシュバックなど色々な特典があります。特典内容を吟味して自分にはまるようであれば優待取得を検討すると良いと思います。基本的には楽天ユーザであればお得になるものばかりです。

イオンは半年間の買い物総額の3%をキャッシュバックする優待になっており、最大で3万円もキャッシュバックがあるのでイオンでの消費額が多い人にはおすすめです。なお、イオンの株主優待は保有株数に応じてキャッシュバック比率が上がっていきますので、イオンでしか買い物をしないという人は株数を多く持つのもおすすめです。

ヴィレッジヴァンガードは若者にファンが多い雑貨屋、書店ですが、還元率が高くお店で買い物をする人であればとてもお得な優待となります。

カゴメは還元率は低いですが、株主優待の代名詞のような銘柄でファンも多く、カゴメ製品が好きな人は優待を狙っても良いでしょう。

ホットランドはたこ焼きチェーンの銀だこやアイスクリームチェーンのコールドストーンなどで使えますので、よく利用する人にとっては嬉しい特典になると思います。

このように10万円以下、20万円以下でもかなり魅力的な企業の株主優待を得ることができるのがわかりますね。

多額の赤字を計上している企業は除いているとはいえ、株価が変動するリスクは怖いですが、これくらいの金額であればある程度の損失は覚悟しつつ、長期投資で株主優待をもらい続けるということもできますね。

株主優待は多くの株を持っていてもあまり内容が変わらないため、その場合は投資金額が多いと還元率が下がるだけなので小口の投資家に有利なものといわれています。

比較的投資金額が大きな人でも優待で得したい人はいると思いますので、100万円以上でもらえるお得な優待も紹介します。

100万円以上でお得な株主優待

企業名
(銘柄コード)
優待内容 必要最低資金 優待確定月
資生堂
(4911)
自社グループ会社製品 2,750,000円 12月
ワコール
(3591)
自社グループ商品券3,000円相当 1,439,000円 3月、9月
日本KFCホールディングス
(9873)
5,000円相当の自社商品引換券 2,280,000円 3月、9月
星野リゾート・リート投資法人
(3287)
2,000円宿泊優待券 1,121,000円 4月、10月

※必要資金は2015年10月5日終値から試算

100万円以上で得られる株主優待には正直そこまで還元率の高い銘柄は少ないです。

資生堂やワコールなど女性に人気のブランド力のある銘柄があるので、これらの商品を受け取りながら企業を応援するという感じでしょうか。

ケンタッキーフライドチキンを運営する日本KFCホールディングスでは年に2回5,000円相当の割引券をもらうことができます。ケンタッキーはたまに無性に食べたくなることがあるので、ファンの人もそうでない人も優待をもらえると嬉しいという人は多いのではないでしょうか。

高級旅館運営の星野リゾートでは一部の不動産をREIT(不動産投資信託)として証券化しており、株のように投資が可能になっています。このREITに投資していると星野リゾートで利用できる宿泊割引券を得ることができます。

優待の還元率自体は高くありませんが、分配金もありますし値動きも株と異なるのでポートフォリオの一つとして投資しても良いですね。


株主優待で得をする豆知識

  • 長期保有者には優待内容をさらに優遇する企業がある
  • 家族で協力すると効率よく優待をゲットできる
  • 株価変動リスクを回避することができる
  • 買った株を貸して金利収入を得ることができる

豆知識を利用して株主優待で得をする!
株主優待をもらうには企業の株を持ち続けるか、権利取得日直前に株を取得して優待の権利を得る投資法が一般的です。

上記は基本的な優待目的投資家の投資スタイルですが、株主優待には知っていると得することができる豆知識があり、投資スタイルにも影響すると思いますので紹介したいと思います。

長期保有による特典
まずは長期保有による特典です。

株主優待を実施している企業の中には株数だけでなく、株を保有している期間で優待の内容が変わる企業があります。

長期間株主であるほどお得な優待を提供することで、長期保有する安定的な株主を作ることができ、長期保有の株主にとっても優待内容が良くなるのでメリットがあります。

■主な長期保有特典のある銘柄

企業名
(銘柄コード)
通常の優待内容 長期保有株主への優待 長期優待の条件
モロゾフ
(2217)
20%割引券10枚 通常優待+2,000円相当の自社商品(菓子) 3年以上継続して保有
ヤクルト
(2267)
自社商品(ジュース詰合せ・乾麺詰合せ・化粧品)より1点選択 自社商品(ジュース詰合せ・乾麺詰合せ・化粧品)より2点選択 3年以上継続して保有(株主名簿に連続7回以上記載)
ヴィレッジヴァンガード
(2769)
10,000円相当の買物券(1,000円×10枚) 1年以上2年未満の株主には+1,000円分、2年以上の株主には+2,000円分 1年以上2年未満継続して保有(株主名簿に連続3回以上5回未満記載)、2年以上継続して保有(株主名簿に連続5回以上記載)
ヤクルト
(2267)
自社商品(ジュース詰合せ・乾麺詰合せ・化粧品)より1点選択 自社商品(ジュース詰合せ・乾麺詰合せ・化粧品)より2点選択 3年以上継続して保有(株主名簿に連続7回以上記載)

株主優待の内容が倍(10割増し)になるものもあり、長期保有を前提にしている人にとってはこのような長期保有特典がある銘柄を購入して長期間優待を受け取るのも良いですね。

ただし長期保有で優遇されても、株主優待の内容自体が魅力的でなかったり、大した増加でなければあまり意味がないので、自分の保有期間の中でどの銘柄が最もお得な銘柄なのかを考えないといけません。

3年も保有すると株価の変動も大きく、株主優待で得た利益以上の損失が発生してしまうと元も子もないので銘柄選びは慎重に行う必要があります。

  • 株を買う人を増やすことで優待をたくさんもらうことができる

家族で協力して効率よく優待を受け取る
また家族など複数人で協力して効率よく優待を受け取る方法もあります。

株主優待はなるべくたくさん受け取りたいですが、よくある優待の条件として「100株で1,000円分、1,000株で5,000円分、10,000株で10,000円分」など株数に応じて受け取れる優待の量が変わるものがあります。

ここで注目したいのは株数が増える量に対してもらえる優待の量は比例し増えないという点です。上の例だと10倍の優待をもらうには100倍の株を買わないといけなくなってしまいます。

つまり優待は株を少量で多く持った方が得なのです。

「株を少量で多く持つ」には一人で色々な銘柄の優待をもらうのも良いですが、家族などで複数の口座を作って株を買うことで欲しい優待を多くゲットすることができます。

上の例では、200株を自分一人で購入した場合もらえる優待の金額は1,000円分ですが、100株ずつを自分と妻の2人で買えば優待は2,000円分もらうことができ、投資金額は同じであるにも関わらず2倍の優待をもらうことができます。

株主優待は最低株数でもらえる優待が最も費用対効果が高いことがほとんどですので、家族と協力することで効率的に優待をゲットできます。

優待目的の投資家であれば家族の口座は合わせて作っておいた方が良いですね。家族で口座を持っているとIPOの応募権利も増えることになりますので、株式投資をする上ではなにかと便利です。

なお、株主優待は小口で持っている方が良いと言うと、複数の証券会社で同じ優待銘柄を購入すると優待も複数もらえるのではと考える人もいると思いますがそれはできません。

複数の証券会社で株を購入していても株主優待は各企業の株主名簿を名寄せして保有株数をカウントしていますので、A証券会社で100株、B証券会社で100株購入している場合は、100株×2の優待がもらえるわけではなく、200株を持っている人として200株×1の優待が送られてきます。

  • 信用取引を活用した「クロス取引」で株価変動リスクを完全に回避できる

株主優待をタダ取りする裏ワザ
少しテクニカルではありますが、株主優待をタダ取りするという究極の裏技もあります。

株主優待はもらうために株を権利確定日まで保有していないといけませんが、株価は常に変動するものですので、株を持っている期間は株価変動リスクにさらされることになります。

リスクを避けるにはなるべく保有期間を短くすることですが、みんな考えることは同じなので株主優待を実施している企業の株価は権利確定日の次の日にがくっと株価が下がります。理論的には株主優待の価値分下がることになるので、株主優待をもらってすぐに売ると株主優待分損をすることになり、何のために株を買ったかわからなくなってしまいます。

このような株価の変動を回避して、株主優待を株価変動リスクなしに取得する取引手法が「クロス取引」と呼ばれる手法です。

■クロス取引の手順

  • 優待がほしい株を現物で購入する
  • 同じ銘柄を信用で「新規売り」注文を出し、売り建てする
  • 権利確定日まで株を保有する

クロス取引とは普通に株主優待を取得するための現物の買いに加えて、信用取引で売り注文をして売り建玉を保有することで値動きリスクをなくすものです。いわゆる「両建て取引」と呼ばれる取引です。

株の初心者の人にはわかりづらいですが、株は信用取引で「売り」の建玉を持つこともできます。「売り」から始めることで株価が下がると利益を得て株価が上がると損をすることになります。

つまり現物の株とまったく逆の値動きをすることになりますので、株が上がっても下がっても利益も損失も出ないことになり、株価変動によるリスクを全く受けなくなります。

信用取引については別の記事で紹介していますので、信用取引のしくみがよく分からないと言う人は以下の記事を参考にしてください。

現物の買いと信用の売りの2つの取引の売買手数料分のコストはかかりますが、株主優待目的で投資をする上で多くの人が気になる株価変動リスクを回避できるので、タダ取りといっても過言ではないほど大きなメリットがあるといえます。

なお、信用取引には制度信用と一般信用という2つの取引方法があり、信用取引の売りを制度信用でする場合は「逆日歩」という保有コストがかかるリスクがあります。制度信用とは株を証券会社から借りて売る取引なので、貸せる株が少なくなると証券会社は外部から株を調達して貸すことになり、そのコストは逆日歩として投資家が負担する必要があります。

一般信用の場合、貸株料は制度信用よりも高くなりますが、逆日歩はつきませんので、保有コストという意味では制度信用よりも有利なことが多くなります。

ただし一般信用の場合は証券会社によって取扱いできる銘柄に差があり、一般信用取引がそもそもできない可能性があるとそれぞれにメリット、デメリットがあります。逆日歩のコストはかなり大きくなることもありますので、一般信用で取引ができるのであれば一般信用でクロス取引をするのが良いでしょう。


株主優待投資に向いている証券会社

  • 証券会社で購入できる株の種類に違いはない
  • 取引手数料の安さを重視する
  • 一般信用の売りができ、銘柄数が多い証券会社を選ぶ
  • 貸し株サービスを実施している会社を選ぶ

まずは手数料を重視する
株主優待目的で投資をする場合は、売買手数料と一般信用取引の銘柄数、貸し株サービスの有無で決めるのがおすすめです。株主優待を実施している銘柄(上場している株)はどの証券会社からでも購入することができますので、購入できる銘柄自体には差はありません。

コストとサービス面で有利な証券会社を選ぶことになります。

株主優待をもらったらすぐに売却するか、次の優待まで保有し続けるかによって売買回数は大きく異なりますが、株主優待をする上でのコストは株式の売買手数料くらいですので、コストが安くすむ証券会社を選ぶ必要があります。

主要なネット証券で最もコストが安いのはSBI証券ですが、約定金額によっては手数料が安くなる証券会社もありますので、自分が欲しい優待銘柄の金額によって約定代金50万円以下なら手数料無料になる松井証券や10万円以下100円、20万円以下なら180円となるマネックス証券を選ぶのも良いかもしれません。

まだ買う銘柄が決まっていないという人は全体的に手数料が安いSBI証券が取扱い商品やサービスも含めた総合力も高くおすすめです。

■主要ネット証券の取引手数料

証券会社10万円50万円100万円
SBI証券
139
139円
272
272円
0487
487円
楽天証券
090
90円
250
250円
0487
487円
マネックス証券
100
100円
450
450円
1000
1,000円
カブドットコム証券
180
180円
540
540円
0990
990円
松井証券
000
無料
000
無料
1000
1,000円
GMOクリック証券
098
98円
241
241円
0436
436円
岡三オンライン証券
099
99円
350
350円
0600
600円
ライブスター証券
080
80円
180
180円
0340
340円

クロス取引をする場合は一般信用の売り銘柄数を比較
上で紹介したクロス取引をする人の場合は「一般信用取引の売り」ができる証券会社でかつ取扱銘柄が多いところを選ぶのが良いでしょう。

上述した通り、クロス取引ができれば株価変動リスクを受けることなく優待を受け取ることができますし、一般信用取引でクロス取引をすることで逆日歩のリスクも回避することができます。

一般信用の売りが可能な銘柄数はauカブコム証券が最も多いので、クロス取引をする人にとってauカブコム証券は必須の証券会社といえます。

ただしauカブコム証券はSBI証券や楽天証券などよりも手数料が高めなので、現物はメインの証券会社で購入しておき、一般信用の売りだけauカブコム証券でするのが最もコストを抑えられます。

またカブドットコムでは取り扱っていない銘柄をSBI証券では取り扱っているというケースもありますので、一般信用の売りをできる銘柄を最大化するという意味では一般信用の売りが可能なSBI証券、松井証券、auカブコム証券のすべてに口座開設しておくのが無難です。

■主要ネット証券の「一般信用(売り)」のサービス内容比較

証券会社一般信用取引の売り一般信用売りの銘柄数
(2015/10/08時点)
貸株料
SBI証券 9972.0% or 3.9%
楽天証券×--
マネックス証券×--
カブドットコム証券20991.5% or 3.9%
松井証券8132.0%
GMOクリック証券×--
岡三オンライン証券×--
ライブスター証券×--

  • 長期保有派は貸し株サービスを要チェック!

長期保有派は貸し株サービスを活用する
なお、株式優待を受けつつ、長期で保有するという人は貸し株サービスを活用しましょう。

貸し株サービスとは持っている株を証券会社に貸して金利を得ることができるサービスです。

株を持っているだけでは何ももらえませんが、貸し株をしていると配当金や株主優待はそのままもらいつつ株を貸して一定期間ごとに貸し株料を受け取ることができます。インカムゲインを増やすことができるので活用しない手はありません。

■主要ネット証券の貸し株サービス比較

証券会社サービス名対象銘柄貸し株金利優待自動取得分別保管
SBI証券貸株サービス一部対象外銘柄を除く上場銘柄0.1%-5.0%×
楽天証券貸株サービス一部対象外銘柄を除く上場銘柄0.1%-20.0%×
マネックス証券貸株サービス一部対象外銘柄を除く上場銘柄0.1%-0.5%×
カブドットコム証券貸株サービス一部対象外銘柄を除く上場銘柄0.1%-5.0%×
松井証券預株(よかぶ)制度東証の貸借銘柄で貸株超過の銘柄変動×
GMOクリック証券取り扱いなし----
岡三オンライン証券取り扱いなし----
ライブスター証券取り扱いなし----

貸し株については、貸した株が信用売りに回されるため株価下落の一因となるという指摘もありますが、個人が一人株を貸したところで株価への影響はないに等しいので、「もらえるものはもらう」の精神で貸し株サービスを利用するのが良いと思います。

ということで長期保有で株主優待投資をしたい人は貸し株サービスを提供しているネット証券を選ぶのが良いでしょう。幸い主要なネット証券(大手5社)であれば貸し株サービスは実施していますので安心です。

総合的には株主優待目的の投資家であれば、SBI証券、auカブコム証券、松井証券あたりに口座を開いておけば間違いないと思います。できれば複数開設しておくと使えるサービスの幅が広がったり、色々とリスクヘッジできたりするので手間を惜しまず2,3社程度の複数開設するのがおすすめです。


株主優待とNISA

  • 株主優待は原則として雑所得で課税対象
  • ほとんどの人が確定申告不要の範囲内で実質的に非課税状態

株主優待の税金
株主優待の税金がどうなるか気になる人もいるでしょう。株主優待の税金は原則雑所得として課税対象となります。

株主優待は配当金に似ているので、配当所得では?と考える人もいると思いますが、企業の利益に応じて配当される配当金と異なり、株主優待は利益の有無やその額とは関係なく提供されているものがほとんどで、「利益の分配」である配当金とは税法上の扱いが異なり、雑所得となるようです。

この辺りは管理人もうまく説明ができないので、なぜ株主優待が雑所得となるかは税理士や税務署およびそれらの人が書いた本やサイトを確認されるのが良いでしょう。

ここで大事なのは株主優待は原則として雑所得ということです。つまり株主優待は課税対象の所得となります。

ただし、周りで株主優待の収入を確定申告しているという人はほとんどいないと思います。

給与所得がある人は株主優待をもらっていても、「給与の支払を受けている人で、給与所得および退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超える人」という確定申告が必要な人の条件にあてはまらない人がほとんどなので、確定申告をしている人はほとんどいません。

また専業主婦など給与所得を得ていない人でも、年間の所得が38万円以下の場合は基礎控除という誰でもある税金の控除枠内に収まり、課税所得がゼロとなり、税金を支払う必要がなくなり確定申告も不要になります。

このように株主優待をもらっていても多くの人は確定申告が不要となっています。

また株主優待はものであることが多いので、その株主優待がいくらの収入となったのかの判断や計算が難しいです。金券ショップに転売した場合は売却金額が収入ということになりますが、そのように明確に収入額がわかる優待は少ないです。

多くの人が結果的に確定申告不要の枠内に収まっている、また所得の金額の計算が難しい(税務署としても所得の把握が困難)という理由から実態としては株主優待の収入を確定申告している人はほとんどいません。

事実上の非課税といってもよいですが、税金を支払っている人がほとんどいないからといって税金を払わなくても良いという話ではありませんので、原則は雑所得として課税対象になると考えるのが妥当です。

  • 株主優待目的の投資でもNISAは活用した方が良い
  • 他に収益性の高い株や投資信託に投資している場合はそちらを優先
  • NISA口座を活用することで手数料無料で取引できる

株主優待目的でNISAはお得か
このように普通の人が課税対象となることはまれな株主優待ですが、株主優待目的の投資をする人にとってNISAは活用した方が良いでしょうか。

結論から言うと、優待目的以外に投資をしない人であれば優待株はNISAで購入した方がお得になります。優待目的以外にも株や投資信託へ投資している人であれば他の株や投信をNISAで買った方が良いことの方が多くなると思います。

NISAとは2013年から始まった「少額投資非課税制度」のことで、毎年100万円の投資分については利益や配当金への課税が完全非課税となるものです。

一般的に証券会社の口座を開くとその中でさらにNISA口座を開設することになり、NISAで取引するかどうかを選択することになります。

優待銘柄は基本的には値上がり益を追うものではないので、値上がり益も配当金もそこまで大きな金額にはなりません。上述した通り株主優待による利益は確定申告不要となることが多いのでほぼなく、優待目的の投資の場合、NISAの非課税メリットはそこまで大きなものになりません。

ただし、各ネット証券ではNISA促進のためNISA口座での取引手数料をすべて無料としているところが多いです。主要なネット証券でいえばSBI証券、楽天証券、auカブコム証券、松井証券が手数料完全無料です。

NISA以外の口座で株を買う場合手数料がかかりますので、NISAを他に使う予定がない人にとっては優待銘柄でもNISAで買えば手数料分はお得です。

株主優待目的でも仮に株価が値上がりした場合は利益が出て課税されることになりますが、その分も非課税になるのでお得ですしね。

IPOや高配当の株や投信を購入する予定の人であればもうけの大きくなりそうなそれらの株や投資信託をNISAで購入した方が非課税メリットは大きくなりますので、優待銘柄をNISAで買うのは優先度こそ低いですが、他の投資対象でNISAを利用する予定がなければぜひ活用したいものです。

NISAはひとつの証券会社でしか開設することができず、現状変更するのはかなり大変なので、メインで使用する証券会社でNISA口座も開いておくのが無難です。

当サイトでのおすすめは手数料が安く総合力も高いSBI証券ですので、迷った人はSBI証券で口座開設しておくと良いと思います。

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株主優待に関する素朴な疑問

  • ANAやJALの株主優待はお得?
  • JALやANAの優待券は運賃が割引になり人気の株主優待の一つですが、1つの便で利用できる株主優待枠に制限があるなど、繁忙期には使いづらくなり、特割などの他の割引サービスの方がお得な場合もあり、必ずしも有利というわけではありません。
    調べた結果優待券が一番安ければ良いですが、多くの場合はそうではないので、優待券をわざわざ金券ショップなどで購入する必要はないように思います。
  • 企業は株主優待を何のために行っているの?
  • 株主優待は株主数を多く保ったり、自社のサービスや商品を知ってもらうために実施している企業が多くなっています。
    上場している企業は取引所のルールで一定数以上の株主を保つように決められていて、株主数を増やすために株主優待を実施している企業が多いようです。
    また株主優待目的の投資家は長期保有する安定株主となることが多いので、安定株主を作るという意味でも企業は取り組んでいます。
  • 小口の株主を優遇していることが多い株主優待では大口株主は文句を言わないの?
  • 確かに株主優待のプログラム自体は小口の株主と大口の株主では大きな優待の差はなく、持っている株数を考えると小口株主を優遇しているともいえます。
    ただし、株主優待を実施することで小口の株主が増え株価の下支えとなることがあり、大口株主へも少なからずメリットがあると言われています。またすでに株主優待をしている会社が優待をやめると株価が下がることがほとんどですので、株価のことを考えると大株主も黙認というケースが多いようです。
    株主優待をするだけの経営的な余裕があるというポジティブメッセージにもなりますので、IR(投資家向け活動)の一環としてとらえている人が多いのではないでしょうか。
  • 海外でも株主優待はある?
  • 海外には株主優待制度はなく、配当金で還元するスタイルです。お歳暮やお中元などの文化がある日本では株主への御礼という意味で株主優待が根付いたと言われています
  • 優待が届かない場合はどうしたらよい?
  • 証券会社へ権利確定日の株主であったかを確認する
  • 株主優待を発行する会社(カゴメ株であればカゴメ)に確認をする



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