株の口座を作る際のネット証券の選び方・おすすめ・比較
株のはじめ方の記事で紹介しましたが、株は証券会社の口座を作って購入資金を入金すればすぐに売買することができます。
株を売買することができる証券会社はたくさんありますので、どこを選んだら良いのか、選ぶ際のポイントで注意すべきところはあるかなど、悩んでしまう人も多いと思います。
そこで本記事では株の口座を作る証券会社はどこが良いのか、どう選べばよいかを紹介したいと思います。
証券会社を選ぶポイント
- 証券会社はネット証券を選ぶ
- ネット証券は手数料を重視しつつ、取引手法にあった会社を選択する
対面証券会社とネット証券はどっちが良い?
証券会社には大きく大手の対面証券会社とネット専業の証券会社があります。大手の対面証券会社とは「野村證券」「大和証券」「日興SMBC証券」などで一度は耳にしたことがある人は多いと思います。
一方、ネット証券とはネット取引の仲介を専門にした証券会社のことで、ネット取引の急拡大をもと大きく成長した企業です。「SBI証券」や「楽天証券」「マネックス証券」「松井証券」「auカブコム証券」などです。大手通販サイトの楽天の名前もあり何となくIT系のイメージがある企業ですね。
株を始める際には何となく大手の野村證券とかの方が安心と考えて大手対面証券会社に口座開設する人もいますが、個人が株を売買するなら絶対にネット証券がお得でおすすめです。
大手証券とネット証券の違いは主に手数料と営業マンがつくかどうかです。また対面証券会社は店頭で口座開設をはじめとした手続きが可能になるのでその点も違い重要視する人もいると思います。
■大手対面証券会社とネット証券の違い
- 手数料(売買手数料、口座管理料、年会費)
- 営業マンがつくかどうか
- 対面証券会社は店頭で手続きができる
最も大きな違いである手数料ですが、大きく売買手数料と口座管理維持手数料があります。
大手の対面証券会社は取引手数料がとても高いです。
最大手の野村證券は100万円の株を購入する際に11,967円(税込)の手数料が必要になります。一方で同じ金額の株をネット証券で購入する場合はネット証券最大手のSBI証券では525円(税込)ですので、その差は11,442円で約23倍ととんでもない差です。
野村證券 | SBI証券 |
---|---|
11,967円(税込) | 525円(税込) |
※2015年9月時点。野村證券は本支店手数料、SBI証券はスタンダードプラン
野村証券にもネットで注文をするプランもありますが、それでもネット証券の手数料より高く、そもそも対面証券のサービスを受けられなくなるので意味がなくなります。
ネット証券は口座管理維持手数料などの名目でお金を取られることもないので、年間、あるいは生涯のコストで考えると圧倒的な差がつきます。
店舗や営業マンのコストを負担している
このような大きなコストの差がつく理由は会社の運営コストの差です。大手の対面証券会社は各町の一等地に店舗を構え、受付にきれいな女性を配置し、高給取りの営業マンを多く抱えています。
これらのコストをどこで賄っているかというと、顧客からの手数料です。(大手証券会社の収益源は売買手数料だけではありませんが、確実に売買手数料にも転嫁されています)
一方でネット証券は店舗がありませんし、営業マンもいないので店舗の家賃や人件費が大幅に安くすみ、その分手数料を安く設定しています。営業担当はつきませんがネットで取引できるので自宅でのんびりトレードしたいという人はネット証券の方が良いでしょう。
どうしても営業担当がついていないといやだという人は大手の証券会社に口座開設すると良いですが、経験のある人ならわかる通り、証券会社の営業マンがすすめる株で大きく得をしたという話はほとんど聞いたことがなく、ほとんど損をした話しか聞きません。。
このように個人が株をする上では大手対面証券のメリットはほとんどなく、どうしても野村と取引がしたいという人以外はネット証券を選択するのが賢明でしょう。
実際に最近ではほとんどの人がネット証券で取引をしており、個人の売買代金の8割以上は大手ネット証券の5社経由の取引で占められています。
ネット証券を比較するポイント
- 手数料
- 取扱商品
- ツール、取引画面の使いやすさ
- サービス(注文方法)
- サポート
- システムの安定性
手数料は重視しつつ自分の取引手法にあった証券会社を選ぶ
ネット証券を比較するポイントとしては手数料が第一ですが、自分の取引スタイルを考えて自分にあった証券会社を選ぶことが重要になります。
ネット証券では中長期投資家向けの取引ごとにかかる手数料体系と、デイトレーダー向けの1日の売買代金ごとの手数料体系の2つがあるのが一般的です。自分の取引スタイルにあった手数料体系を比較して有利な証券会社を選択します。
目安として1日に複数回取引をすることがなければ基本的には取引ごとの手数料体系を比較するのが良いでしょう。
手数料の次に重要視するのは取扱商品とサービスです。ネット証券の手数料はどこも安いので多少の違いであれば商品やサービスの充実度の高さが重要になります。
ネット証券であれば国内株式(信用取引含む)の取引はできますが、投資信託や債券は取扱いのないネット証券があります。またIPOは上場する会社ごとに幹事会社という取り扱いをする証券会社が決まりますので、IPO投資をしたい人はIPOに強い証券会社を選ぶ必要があります。
FXもできるネット証券がほとんどですが、FXはFX専業会社の方がスプレッドやサービスが良いのでネット証券ではなくFX会社を選択するのが良いでしょう。
ツールや取引画面の使いやすさも重要です。取引ごとに使用することになるので、使い勝手が悪いと取引のたびにストレスを感じることになるので自分にあった証券会社を選ぶ必要があります。
ツールや取引画面の使いやすさは個人の好みにもよりますので実際に使ってみるのが一番です。
携帯電話やスマートフォン経由で取引できるのか?取引できるアプリがあるか?という疑問を持つ人も多いと思います。携帯経由の取引はすべてのネット証券で可能ですが、モバイル用のサイトを用意しているのか、iPhone、androidでアプリを提供しているのかどうかなどの違いはありますので、携帯で取引したい人はチェックする必要があります。
その他にも注文方法やポイント制度などのサービス、取引システムの安定性、コールセンターやセミナーなどのサポート体制などのチェックポイントがあり、自身の取引スタイルに合わせてどの項目を重視するか決めましょう。
投資スタイル別のおすすめ証券会社
- 初心者の人におすすめの証券会社はSBI証券
- 長期投資、取引頻度が少ない人はSBI証券、auカブコム証券、マネックス証券
初心者、よくわからない人
このようにネット証券を選ぶポイントは多くありますが、難しそうだからおすすめの証券会社を教えてほしいという人もいると思いますので、各ポイントの比較の前に取引スタイル別のおすすめ証券会社を紹介したいと思います。
株をはじめてやる初心者の人や自分の投資スタイルがよく分からないという人には、まずはSBI証券をおすすめします。
SBI証券はネット証券最大手の会社で、最も多くの人に選ばれている証券会社です。手数料が安いのが特徴で、取扱商品やツール、サービスのバランスもよく総合力ではNo1の証券会社です。
まずは手数料の安い証券会社ではじめたいけど、将来的には投資信託や債券など色々な商品にも挑戦してみたい、最初は不安だからサポートが手厚い証券会社で取引したいという人にはぴったりです。
証券会社を選ぶポイントとして重視したいのはまずは手数料ですが、取扱商品やサービス、ツール、システムの安定性なども考慮して総合的に判断をする必要があります。
個人的にはネット証券の中では手数料を細かく比較して1円でも安い証券会社を選ぶというのはあまり意味のないことのように思います。(デイトレーダーやスキャルピングをする極端に売買回数が多い人は別ですが。)
なぜならネット証券の手数料はとても安い水準で、さらにその中でも競争が続いています。そのためネット証券間の手数料の差はわずかですし、競争が激しいので今後も変わる可能性があり、今一番手数料が安い会社がずっと安いとは限らないからです。
例えば、100万円の株を売買するときのSBI証券の手数料は487円(税込525円)となっており、SBI証券と比べると楽天証券が+122円(高い)、マネックス証券が+513円、auカブコム証券が+503円、松井証券が+513円で大手ネット証券の中ではSBI証券の手数料が最も安くなっています。非大手までを含めると、GMOクリック証券が-51円、SBIネオトレード証券が-147円となっています。
■約定金額ごとの各ネット証券手数料
※金額はすべて税別
証券会社 | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
---|---|---|---|
SBI証券 | 139円 | 272円 | 487円 |
楽天証券 | 90円 | 250円 | 487円 |
マネックス証券 | 100円 | 450円 | 1,000円 |
カブドットコム証券 | 180円 | 540円 | 990円 |
松井証券 | 無料 | 無料 | 1,000円 |
GMOクリック証券 | 98円 | 241円 | 436円 |
岡三オンライン証券 | 99円 | 350円 | 600円 |
ライブスター証券 | 80円 | 180円 | 340円 |
GMOクリック証券、SBIネオトレード証券の方が手数料自体は安いですが、その差は100円ほどで、取引金額に対する割合で見ると0.01%ととても小さな金額です。大手証券会社とネット証券のように10倍近く手数料が違うのであれば手数料優先ですが、この程度の差であれば誤差の範囲内で神経質になりすぎる必要はないと思います。
むしろ取引システムの安定度やコールセンターのつながりやすさや対応力は業界最大手のSBI証券の方が上ですので、手数料のわずかな差にこだわるよりは売買タイミングを逃さないことのほうが重要です。非大手のクリック証券やSBIネオトレード証券は取扱商品やIPOの取り扱いも極端に少ないので投資の幅も狭まります。
本当に国内株式の手数料だけにこだわりたいと言う人であればクリック証券やSBIネオトレード証券に口座開設すれば良いですが、サービスの総合力や今後のことも考えるとやはりSBI証券をはじめとした大手ネット証券の口座を開設しておくのが賢明でしょう。
この業界は下位の会社は経営不振で上位の会社に吸収されることも少なくなく、そうなるとサービス内容もガラッと変わってしまい、株式の移管の手間も発生してしまいますからね。
初心者の人で投資スタイルもよくわからない、決まっていないという人はネット証券最大手のSBI証券に口座開設をすれば間違いありません。
大手のネット証券はそれぞれ特徴がありますので、取引スタイルによってはSBI証券以外の証券会社の方が良い場合もあります。取引スタイル、やりたい投資法ごとにおすすめの証券会社を見ていきましょう。
長期投資・取引頻度の少ない人
長期投資をしたい人や取引頻度が少ない(月に1,2回程度)の人はSBI証券、auカブコム証券、マネックス証券がおすすめです。
SBI証券は上述した通り手数料が安く取扱商品も豊富、サイト上の投資情報もネット証券トップクラスなので、長期的に付き合える証券会社です。
ネット証券は口座管理料や維持手数料がかかりませんので、SBI証券ともう一つの証券会社を持つというスタンスでも良いと思います。
auカブコム証券とマネックス証券は手数料はSBI証券よりも高いですが、その分注文方法が充実しておりauカブコム証券の場合はW指値やUターン注文、トレーリングストップなど特殊な注文をいち早く導入している証券会社です。マネックス証券もツイン指値や連続売買という名称で特殊な注文方法を数多く提供しています。
長期投資の場合複雑な注文は必要ないように思うかもしれませんが、取引頻度の少ない人の場合、株価を毎日チェックしない人が多くなると思いますので、万が一の相場急変時に注文が作動するように注文を出しておけばリスクをコントロールすることができます。
リスク管理をしっかりしておけば定期的に株価をチェックすれば良く、日々の株価変動を気にすることなく安心して仕事や毎日の生活を贈ることができますね。
auカブコム証券を使っている投資家は投資成績が良いという噂もあるほどなので、リスク管理に敏感なうまい投資家が集まっているのかもしれませんね。
豊富な注文機能があっても使いこなせなければ意味はありませんが、リスク管理をきちんとしていきたい人はauカブコム証券やマネックス証券が向いていると思います。
後述しますが、長期投資をしたい人の場合、投資信託を積立していくという投資法が定番ですが、その際には取扱い投資信託の数が多く、最低積立金額が少なく、投資資金を銀行からの引き落としにも対応しているSBI証券、auカブコム証券、楽天証券がおすすめです。
投資信託をしたい人にとってもおすめなのはSBI証券とauカブコム証券ということになります。
- デイトレードをする人はSBI証券、松井証券、楽天証券がおすすめ
デイトレード、短期投資をしたい人
デイトレードをする人や短期投資をしたい人にとってはSBI証券や松井証券、楽天証券がおすすめです。
デイトレードや短期売買をする場合は取引手数料が重要になるので取引手数料が安い証券会社を選ぶことです。SBI証券と楽天証券は全般的に手数料が安くなっていますが、松井証券は1日の売買代金が50万円以下であれば取引手数料無料でデイトレーダー向けの手数料が安くなっています。
またデイトレードをする上で欠かせない取引ツールでは楽天証券の「マーケットスピード」やSBI証券の「HyperSBI」の評判が良くなっています。
特に楽天証券のマーケットスピードはデザインや機能性が評価されていて固定ファンが多く、有名な投資家も使用しています。
トレーディングツールを利用するには基本有料になっており、月に1,000円程度の料金がかかりますが、信用口座の開設やFX口座の開設など簡単な条件をクリアすると無料で利用できるようになります。
- IPO投資をしたい人はSBI証券、auカブコム証券、マネックス証券がおすすめ
- 複数口座を作って当選確率をアップ
IPO投資をしたい人
IPO投資をしたい人におすすめの証券会社はSBI証券、auカブコム証券、マネックス証券です。
上述した通り、IPOに応募できる証券会社は上場する企業ごとに選ばれた証券会社に割り当てられ買うことができます。これを幹事会社といいますが、SBI証券は幹事会社となっている数が2014年は全証券会社の中でNo1となっており、とにかくたくさんの会社に応募することができます。
auカブコム証券は三菱UFJグループということもあり、グループの三菱UFJモルガンスタンレー証券が幹事となった企業のIPOの多くに応募することができ、こちらも参加できるIPO企業が多くなっています。
IPOは大人気で抽選となることがほとんどですが、抽選の確率は「証券会社の割当数÷応募人数」で決まります。SBI証券は割当も多いですが口座開設している人が300万人いますので応募人数も多くなり激戦となります。
一方でauカブコム証券は口座開設者が少なくその割に割当が多い(と思われる)のでIPOの応募では穴場となります。
マネックス証券は完全抽選制をうたっており、預り資産が多いから取引実績があるからという理由で当選確率が上がるわけではない公平性があります。基本ネット証券はすべて抽選制だと思いますが、完全抽選制をうたっているのはマネックス証券だけなのでもしかしたら他のネット証券は一部優良顧客にIPOの割り当てをしているのかもしれませんね。
完全抽選制だからといって当たりやすいわけではありませんが、公平性を求めるならマネックス証券の口座も開設しておくと良いでしょう。
IPOの応募は複数の証券会社にすることができますので、少しでも当選確率を上げたい人はあげた証券会社の口座をすべて開いておくと良いでしょう。
面倒な方でも何とかSBI証券とauカブコム証券くらいは口座開設しておきたいですね。
NISAを活用したい人
2014年に始まったNISAは100万円の投資分までは税金がかからないので、活用したいと考えている人も多いと思いますが、NISAを活用したい人におすすめの証券会社はSBI証券です。
SBI証券のメリットは先にあげた通りで総合力が高いのでどんな取引スタイルの人にもおすすめできる証券会社です。さらにSBI証券はNISAの取引手数料が無料で維持管理手数料ももちろん無料です。
NISAなら手数料が完全無料でトレードできるので大変お得ですね。
SBI証券のNISAはIPOにも参加できますし、投信の積立、単元未満株、夜間取引も可能となっており、対象取引も幅広くなっています。NISA専用ダイヤルというサポートもありますので、投資初心者の人も安心です。
NISA分野は他のネット証券もサービスを充実させていますが、SBI証券に口座開設しておけば間違いない状況といえます。
- 投資信託をはじめたい人はSBI証券、楽天証券、auカブコム証券がおすすめ
投資信託を取引したい人
投資信託を取引したい人におすすめの証券会社はSBI証券、楽天証券、auカブコム証券です。
投資信託をする上で重要になるのは取扱本数と積立サービスの使い勝手です。
取扱においてはSBI証券と楽天証券が圧倒的で、取扱本数はともに2,000本を超えておりノーロードの取扱本数も700本を超えています。auカブコム証券の取扱本数は700本程度でノーロードは約350本で十分とも言えますが上位2社とは品揃えに大きな差があります。
SBI証券と楽天証券は国内のほとんどの投資信託を取引できる状況になっていますし、多くの投資信託の中から自分にあった投資信託を探すサーチ機能も充実しています。
積立サービスでは最低積立金額と銀行からの引き落としが可能かを重視します。
最低積立金額はSBI証券とauカブコム証券が500円以上1円単位、楽天証券は1000円以上1円単位となっています。マネックス証券は1,000円以上1円単位で積立可能ですが銀行引落とすると1万円以上の取引でないとだめになってしまうので、小口で分散投資をすることを考えると使い勝手が落ちます。
SBI証券、楽天証券、auカブコム証券はともに銀行引落に対応していますが、SBI証券と楽天証券が全国200を超える金融機関から指定できるのに対して、auカブコム証券は以下の7つの金融機関に限られる点が異なります。
・三菱東京UFJ銀行
・三井住友銀行
・みずほ銀行
・ゆうちょ銀行
・PayPay銀行
・スルガ銀行
・大垣共立銀行
メガバンクを利用している人であれば問題ありませんが、その他の銀行(特にネット銀行)を利用している人にとっては使い勝手が悪いことになります。
SBI証券と楽天証券は投信の積立をすることで1%分ポイントがつくのも嬉しいですね。
なお大手ネット証券の中では松井証券が唯一投資信託の取り扱いがありませんので、投資信託をやりたい人は松井証券を選んではいけません。注意しましょう。
複数の口座を持つメリット
- システム障害リスクを分散できる
- IPOの当選確率を高める
- 多くの投資情報を仕入れることができる
個人投資家の平均口座保有数は3口座!?
投資初心者の人にはぴんと来ないかもしれませんが、個人投資家の多くは複数の証券会社の口座を保有しています。
様々な機関の個人投資家アンケート結果を見ると約3口座を保有しているのが平均のようです。
複数口座を持つメリットはいくつかありますが、最も大きなメリットはシステム障害のリスクを軽減できることです。ネット証券はアクセスが集中する時にシステム障害を起こしてしまう時があり、好きなタイミングで売買ができない可能性があります。
複数証券会社に口座を持っているとシステム障害があったとしても取引ができないということはなくなりますのでシステムリスクを軽減することができます。システム障害が起きるのは相場の急変時が多いので、特に損失が大きくなりますのでリスク管理の観点から最低2口座は持っておいた方が良いと言えます。
またIPO投資をする場合などは持っている証券会社の口座分だけ申込することができるので、その分だけ当選確率があがるというメリットもあります。
さらに投資情報も無料で取得できるので、複数の証券会社に口座があるとその分情報量が2倍、3倍となって多くの情報を仕入れることができます。
ネット証券は口座管理維持手数料が無料なのでコストもかからず口座開設の手間だけで上記のメリットを受けられるのであればモチベーションが高いうちにいくつか口座開設しておくのが賢明といえます。
ポイント別のネット証券比較
それでは各比較ポイント別にネット証券を定量的に比較してみましょう。まずは手数料です。手数料体系は多くの証券会社が取引ごとに手数料がかかる手数料体系と1日の売買代金に応じて取引手数料がかかる手数料体系の2つを用意しています。
手数料の比較
■約定金額ごとの手数料
※金額はすべて税別
証券会社 | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
---|---|---|---|
SBI証券 | 139円 | 272円 | 487円 |
楽天証券 | 90円 | 250円 | 487円 |
マネックス証券 | 100円 | 450円 | 1,000円 |
カブドットコム証券 | 180円 | 540円 | 990円 |
松井証券 | 無料 | 無料 | 1,000円 |
GMOクリック証券 | 98円 | 241円 | 436円 |
岡三オンライン証券 | 99円 | 350円 | 600円 |
ライブスター証券 | 80円 | 180円 | 340円 |
■1日定額の手数料
※金額はすべて税別(クリック証券のみ税込)
証券会社 | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
---|---|---|---|
SBI証券 | 0円 | 0円 | 762円 |
楽天証券 | 0円 | 0円 | 858円 |
マネックス証券 | 2,500円 | 2,500円 | 2,500円 |
カブドットコム証券 | - | - | - |
松井証券 | 無料 | 無料 | 1,000円 |
GMOクリック証券 | 230円 | 430円 | 860円 |
岡三オンライン証券 | 99円 | 500円 | 800円 |
ライブスター証券 | 400円 | 600円 | 800円 |
取引金額部分によっても異なりますが、大手ネット証券5社の中では全般的にSBI証券が最も安く、非大手まで含めるとSBIネオトレード証券の手数料が安くなっています。
続いて取扱商品を比較すると以下のようになっています。まずは株関連の商品の比較です。
取扱商品の比較
証券会社 | 制度信用 | 一般信用 | IPO | 立会外分売 | 夜間取引 | 単元未満株 | 投資信託 | 債券 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SBI証券 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
楽天証券 | ○ | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ |
マネックス証券 | ○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ | ○ |
カブドットコム証券 | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ | ○ |
松井証券 | ○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ | × | × |
GMOクリック証券 | ○ | ○ | △ | × | × | × | × | ○ |
岡三オンライン証券 | ○ | × | × | × | × | ○ | ○ | ○ |
ライブスター証券 | ○ | × | × | ○ | × | × | △ | × |
続いて外国株関連の取扱商品の比較です。
証券会社 | 米国 | 中国 | 韓国 | ロシア | ベトナム | インドネシア | シンガポール | タイ | マレーシア |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SBI証券 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
楽天証券 | ○ | ○ | × | × | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
マネックス証券 | ○ | ○ | × | × | × | × | × | × | × |
カブドットコム証券 | × | × | × | × | × | × | × | × | × |
松井証券 | × | × | × | × | × | × | × | × | × |
GMOクリック証券 | × | × | × | × | × | × | × | × | × |
岡三オンライン証券 | × | × | × | × | × | × | × | × | × |
ライブスター証券 | × | × | × | × | × | × | × | × | × |
最後にFXなどのデリバティブ関連の取扱商品の比較です。
証券会社 | FX(店頭) | FX(取引所) | 先物OP | ワラント | CFD | バイナリオプション | 金 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
SBI証券 | ○ | × | ○ | ○ | ○ | × | ○ |
楽天証券 | ○ | × | ○ | ○ | × | × | ○ |
マネックス証券 | ○ | × | ○ | × | × | × | ○ |
カブドットコム証券 | ○ | ○ | ○ | × | × | × | × |
松井証券 | ○ | ○ | ○ | × | × | × | × |
GMOクリック証券 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
岡三オンライン証券 | ○ | ○ | ○ | × | ○ | × | × |
ライブスター証券 | ○ | × | ○ | × | × | × | × |
投資信託、債券、外国株式は大手ネット証券の方が取扱いが豊富で中でもSBI証券と楽天証券はフルラインナップといえます。デリバティブ系はGMOクリックやライブスターなどの非大手系が充実しています。
FXは証券会社だけでなくFX専業会社もありますので、FXをやりたい人はそれらの会社も含めて比較する必要があります。
株だけでなく投資信託や債券なども取引したい人はSBI証券、楽天証券がおすすめで、外国株に投資したい人はSBI証券、マネックス証券などが取扱豊富でおすすめになります。
続いてIPOの取扱状況の比較です。
IPOで比較
証券会社 | 取扱い有無 | 手数料 | 抽選方式 |
---|---|---|---|
SBI証券 | ○ | 無料 | 落選者は次回当選率がアップ |
楽天証券 | ○ | 無料 | ランクにより当選率がアップ |
マネックス証券 | ○ | 無料 | 完全抽選 |
カブドットコム証券 | ○ | 無料 | 完全抽選 |
松井証券 | ○ | 無料 | 完全抽選 |
GMOクリック証券 | △ | 無料 | 完全抽選 |
岡三オンライン証券 | × | - | - |
ライブスター証券 | × | - | - |
こちらも大手ネット証券の方が取扱が豊富です。取扱銘柄が多いのはSBI証券とauカブコム証券で、抽選方法が公正なのはauカブコム証券、マネックス証券です。
IPOは口座開設する証券会社分だけ抽選に参加できますので、多くの証券会社の口座を持っていた方が有利です。IPOでもうけてやるという人は上記の取扱がある証券会社の口座はすべて用意しておくのが良いでしょう。
続いてサービスやツールの比較です。
サービスで比較
証券会社 | 即時入金 | 銀行との 連携 | ATM カード | 即時口座 開設 | 貸し株 | 夜間取引 | MRF | ポイント | 未成年 口座 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SBI証券 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ |
楽天証券 | ○ | ○ | × | × | × | × | ○ | ○ | × |
マネックス証券 | ○ | × | ○ | × | ○ | × | ○ | ○ | ○ |
カブドットコム証券 | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × |
松井証券 | ○ | × | × | × | ○ | × | ○ | × | ○ |
GMOクリック証券 | ○ | × | × | × | × | × | ○ | × | × |
岡三オンライン証券 | ○ | × | × | × | × | × | ○ | × | × |
ライブスター証券 | ○ | × | × | × | × | × | ○ | × | ○ |
ツールで比較
証券会社 | チャネル | 分類 | ツール名 | 利用料 (1月当たり・税別) |
---|---|---|---|---|
SBI証券 | PC | ダウンロード | HYPER SBI | 980円 |
iPhone | アプリ | SBI株取引 | 無料 | |
Android | アプリ | SBI株取引 for Android | 無料 | |
モバイル | アプリ | HYPER MOBILE | 無料 | |
楽天証券 | PC | ダウンロード | マーケットスピード | 2,500円(3か月) |
iPhone Android | アプリ | iSPEEDアプリ | 無料 | |
iPad | アプリ | iSPEED for iPad | 無料 | |
モバイル | アプリ | iSPEED | 無料 | |
マネックス証券 | PC | ダウンロード | マネックストレーダー | 無料 |
iPhone Android | アプリ | マネックストレーダー スマートフォン | 無料 | |
iPad | アプリ | マネックストレーダー for iPad | 無料 | |
モバイル | アプリ | マネックストレーダー・モバイル | 無料 | |
カブドットコム証券 | PC | ダウンロード | kabuステーション | 900円 |
iPhone Android | アプリ | kabu.com for iPhone/Android | 無料 | |
モバイル | アプリ | kabuアプリ | 無料 | |
松井証券 | PC | ダウンロード | ネットストック・ハイスピード | 無料 |
iPhone Android | アプリ | 株touch | 無料 | |
GMOクリック証券 | PC | ダウンロード | スーパーはっちゅう君 | 無料 |
PC | ダウンロード | はっちゅう君プラス | 無料 | |
PC | ダウンロード | はっちゅう君 | 無料 | |
PC | ブラウザ | レーザートレード | 無料 | |
iPhone | アプリ | iClick株 | 無料 | |
Android | アプリ | 株roid | 無料 | |
モバイル | アプリ | モバトレ君 | 無料 | |
岡三オンライン証券 | PC | ダウンロード | 岡三ネットトレーダー | 480円 |
PC | ダウンロード | 岡三ネットトレーダーライト | 無料 | |
PC | ダウンロード | 岡三ネットトレーダープレミアム | 980円 | |
PC | ブラウザ | 岡三ネットトレーダーWEB | 無料 | |
iPhone Android | アプリ | 岡三ネットトレーダースマホF | 無料 | |
iPad | アプリ | 岡三ネットトレーダースマホF for iPad | 無料 | |
モバイル | アプリ | 岡三ネットトレーダー モバイル | 無料 | |
ライブスター証券 | PC | ダウンロード | livestar R | 無料 |
PC | ブラウザ | livestar WEB | 無料 | |
iPhone Android | アプリ | livestar S | 無料 |
ツールについては取扱状況だけを記載していますが、取引画面の使いやすさやツールの機能の詳細の比較は別の記事で紹介していますので、気になる方はぜひそちらも参考にしてください。
大手ネット証券各社の特徴
ポイント別のネット証券の比較をしたところで、最後に各社の特徴を簡単にまとめておきましょう。
SBI証券は総合力No1の絶対王者
SBI証券は手数料が安いのが最大の特徴ですが、取扱商品も豊富でサービスも充実しており、比較ポイントのすべての項目で上位に食い込んでおり、総合力No1のネット証券といえます。実際に多くの投資家にも選ばれており口座開設数、売買代金、預り資産などあらゆる項目でネット証券No1となっています。
どんな投資家の人にもおすすめできるので、とりあえずどこか1口座だけ開くという場合はSBI証券の口座開設をすることをおすすめします。
楽天証券はツールとポイントが魅力
楽天証券も手数料、取扱商品などのレベルが総じて高く、総合力の高いSBI証券に次ぐ業界No2の証券会社です。
特徴的なのは取引ツールとポイント制度で、トレーディングツールの「マーケットスピード」は投資家からの評価が高くネット証券人気No1のツールと言えるでしょう。
また楽天グループの証券会社なので、口座開設のキャンペーンや投資信託の購入に応じて楽天スーパーポイントがたまります。多くの方が利用しているポイントなので魅力に感じる人も多いのではないでしょうか。提供サービスの方向性がSBI証券と似ているので、SBI証券の口座があるとあまり必要ないかもしれませんが、マーケットスピードを使いたい人などは楽天証券に口座開設されると良いのではないでしょうか。
リスク管理とIPOのauカブコム証券
auカブコム証券は取引手数料は高めですが、注文方法が豊富でリスク管理に適している証券会社です。システムを自社開発しているため開発スピードが速く、スマートフォンアプリをはじめとした取引ツールをいち早くリリースしてくる点も特徴といえます。
三菱UFJグループなので、IPOの取扱い企業、割り当て数も多く、SBI証券ほど会員もいないのでIPOの抽選は当たりやすい証券会社です。
特徴的なサービスとIPOの当選確率を高めることが出来るという点でサブ口座として最もおすすめできるネット証券です。当サイトではサービスの特徴とIPO当選率からSBI証券とauカブコム証券の組み合わせをもっともおすすめしています。
マネックス証券は米国株が豊富
マネックス証券は米国株に力を入れている証券会社で、外貨に投資したいという方は口座開設すると良い証券会社です。国内株の手数料は高いですが、注文方法が豊富でリスク管理がしやすく先進的な投資信託分析サービスなども提供しています。
IPOの抽選も完全抽選性なので公平でIPO当選率を高めたい人がサブ口座として開設するのもおすすめです。
松井証券は国内株特化でデイトレ向き
松井証券は50万円以下の取引手数料は無料となります。また1日の売買代金ごとの手数料しかなく、1日信用取引という当日中に新規、決済をすると取引手数料は完全無料となりますので、デイトレーダーや少額投資の人に向いている証券会社です。
投資信託の取り扱いがなかったり(ETFは取引可能)、その他の商品やサービスも豊富ではないので、株だけを取引するという人に向いていて、投資信託など他の商品の投資もしたいという人には向いていない証券会社です。国内株式に特化した潔いネット証券といえますね。
色々と比較したりおすすめしたりしてきましたが、大手のネット証券であれば投資初心者の人であれば十分満足できるレベルだと思いますので、証券会社選びであまり思い悩まず、実際に投資の経験を積んで勝てる投資家に近づいていきましょう!
投資経験のためにバーチャルトレードやゲームをする人もいるようですが、個人的には実際に自分のお金を投資して得をしたり損をする中で投資のスキルが身につくと思いますので、ぜひ実際の口座で株取引にチャレンジしていただければと思います。
証券会社選びの素朴な疑問
- 口座管理料や維持手数料はかかる?
- ネット証券は口座管理手数料や維持手数料、保管手数料、年会費など口座管理にかかる手数料は一切かかりません。なので、いくつ口座を持っていても費用がかかることはありません。
- 証券会社の口座にお金を預けると金利はつくの?
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