投資信託の始め方と積立投資、nisa活用のメリットや分配金
「投資信託をはじめたい」と思ってもどうやって始めるのか、投資信託は本当にお得なのか分からない人は多いと思います。ネット上で調べてもよく分からなかったり、内容的に全く逆のことが書かれていることもありますしね。
また銀行や対面の証券会社に相談をすると、おすすめの投資信託を紹介されると思いますが、紹介された投資信託が本当に良いものなのか悩んでいる人も多いと思います。
そこで投資信託を始めるにはどうしたらよいか、投資信託の基礎知識から販売会社の選び方、良い投資信託の選び方や投資信託を活用した投資法を紹介したいと思います。
少し長いですが、自分が気になるポイントだけでもチェックしていただければと思います。
投資信託の基本知識
- 運用の専門家が多くのお金をまとめて運用する商品
- 投資家は小口で投資することができる
- 投資対象により様々な特徴がある
投資信託は投資のパッケージ商品
投資信託とは投資家から集めた多額のお金をプロのファンドマネージャーがまとめて運用をする投資商品です。複数の投資対象をまとめて一つの商品となっていると言う点で、簡単に言うと投資のパッケージ商品、お楽しみ袋のような商品と言えるでしょう。
小口から投資ができる点、自分で個別銘柄を選ばずにプロに運用をお任せできる点、投資総額が大きいので様々な投資対象に分散投資がされている点、個人では個別に投資が難しい投資対象にも投資が可能な点が特徴です。
集めた資金をどう運用するか(どの商品に投資がされているか)は投資信託ごとに異なり、株式、債券、不動産など様々な投資対象があり、投資地域も国内だけでなく欧米、新興国など様々なものがあります。
各投資信託の投資対象や方針は目論見書という投資信託の説明書類に記載されているので、大まかに国内の大企業に投資したいとか新興国の株に投資したいという人は目的にあった投資信託を探すことができます。
世の中には無数の種類の投資信託がありますので、こんなところに投資したいなと思った時にはまずその目的にあった投資信託は存在するといえるでしょう。
投資信託の成績は投資対象のパフォーマンスによって決まりますので、株式などに投資している場合は元本割れをすることもあります。よって投資信託は元本保証がされている商品ではありません。
銀行に預金代わりと言われて購入する人もいるようですが、元本保証がされていない商品である点を良く理解して、購入の際には投資対象をよくよく確認する必要があります。
小口で分散投資できる点が魅力
投資信託のメリットは大きく4点あります。
小口での取引が可能であること、分散投資が可能であること、個別銘柄を選定する必要がないこと、個人で投資が難しい投資対象に投資が可能なことです。
- 少額から取引ができる
- 分散投資ができる
- 個別銘柄を選定する必要がない
- 個人で投資が難しい投資対象に投資が可能
投資信託は銘柄によって1,000円くらいから投資することができます。国内株式を始めるのに数万円程度かかることを考えると、さらに少額から投資が可能であることがわかります。
また投資信託は1,000円であろうと投資信託全体では多くの株式や債券に分散して投資がされています。同じような分散投資を個別株式で実現しようとすると数千万円単位の莫大な資金が必要になりますので、分散投資が気軽にできるという点は投資信託の大きなメリットです。
投資対象の選定は運用の専門家により行われますので、個別銘柄の選定を自分でする必要がないというのも投資に割く時間が取れない人や専門的な知識が薄い人にとっては心強い点です。
また投資信託の投資対象は幅広いので、中には個人投資家では投資が難しい新興国の株式、未上場企業の株式、大型の開発不動産などへ投資している投資信託もあります。そのような個人では難しい投資対象にも投資信託を介して間接的に投資できるという点も大きなメリットです。
多くの金額で運用して小口で販売している投資信託には上記のメリットがあります。
投資信託はコストに要注意
一方で投資信託にはデメリットやリスクもありますので、購入にあたっては理解した上で検討をする必要があります。
- コストが高い
- 元本保証がない
まずは手数料がかかりコストが高い点です。
投資信託は運用をプロに任せることになるので、その分普通に個別株で運用するよりもコストが高くなっています。
投資信託のコストには購入時に必要な「買付手数料、販売手数料」、保有時に必要となる「信託報酬」、売却(解約)時に必要となる「信託財産留保額」の3つがあります。
これらのコストは証券会社のWEBサイトなどで確認できますので、購入前には必ず確認をする必要があります。
コストは当然安い方が良いので、買付手数料が無料の「ノーロード」の投資信託を選択するのがおすすめです。買付手数料は3%も取る投資信託もあり、そのような投資信託だと利益を出すのが非常に難しくなるので、2%を超える販売手数料を取る投資信託は避けた方が良いでしょう。
株式取引をする際の手数料がネット証券だと取引金額の0.01%くらいですので、それと比較すると販売手数料だけ見ても投資信託の方が割高な商品と言えるでしょう。さらに保有しているだけでかかる信託報酬もあることを考えるとコスト面では個別銘柄を購入する場合よりも割高であると言えるでしょう。
また投資信託は元本保証のない商品ですので、投資の結果価格が下がり投資資金が減る可能性があります。性格的には預金というより株や債券の方が近いので、そのあたりはよく理解しておく必要があります。
まとめると、コストや元本割れのリスクはありますが、メリットも大きいので、投資商品としては優れており、個別銘柄で何を選んだら良いかわからない人には良い商品といえます。
- 投資信託の価格は基準価格で表される
- 基準価格は投資信託1万口あたりの価格
基準価格は今後の値動きには関係ない
投資信託の価格は基本的に1口=1円で作られ(始まり)、1万口あたりの価格である基準価格で現在の価格が1日1回公表され、その価格で取引がされています。つまり新たな投資信託が作られると基準価格は10,000円からスタートします。
購入する際には1万口単位で購入するか、「1万円」「1万2千円」など購入金額を指定して購入する方法があります。
購入口数を指定する方法を「口数買付」、金額を指定して購入する方法を「金額買付」といいます。投資信託の基準価格とは口数買付時の購入単位を意味していると理解すると良いでしょう。
よく「投資信託の基準価格が高いからもうこれ以上は上がらないんじゃないか」と考える人がいますが、基準価格の高安は今後の値動きには一切関係ありません。
投資信託の基準価格はあくまで投資信託の中の値段ですので、その水準が高いからといって割高というわけでもなく、また逆に低いからといって安いというわけではありません。(基準価格が低いことで購入しやすいということはあります。)
その投資信託が今後値上がりするかどうかはあくまでその投資対象の価格が上がるかどうかであって、仮に日経平均に連動するファンドであれば日経平均が上がるかどうかです。基準価格は参考程度に見ておき投資判断とは関係ないと考えると良いでしょう。
投資信託の買い方と販売会社選び
- 投資信託は銀行、証券会社、郵便局、保険会社など多くの金融機関で購入可能
- 販売会社によって手数料が異なる
- 最も低コストなのはネット証券
投資信託を購入するまでの流れ・手続き
投資信託がどういうものかわかったところで、次にどうやったら買うことができるのかを見ていきたいと思います。
投資信託は投資信託を取り扱っている金融機関で購入することができます。投資信託を購入することができるのは銀行、証券会社、ゆうちょ銀行(郵便局)、保険会社などなど多くの金融機関で取扱をしています。
どこでも購入することができますが、投資信託の販売手数料は販売会社によって異なりますので、同じ投資信託でもどこで購入するかによってコストが大きく異なります。
銀行や保険会社などの窓口販売の場合、人件費がかかっている分販売手数料が高くなりますし、ノルマや販売強化商品をすすめられることが多くあまりおすすめできません。
また販売する人の商品知識も薄く、情報の提供量も証券会社と比べると少なくなりますので、「餅は餅屋」で証券会社で購入するのが王道でしょう。さらに対面の証券会社は手数料が高いので、ネット証券を使うのが賢明といえます。
銀行で投資信託は買ってはいけない
銀行で定期預金などを組んでいると、定期預金の額が一定以上になると「運用して少しでも増やしましょう」と投資信託をすすめられることがありますが、銀行の営業マンは投資のプロであることは少なく手数料が高い投資信託を売りつけられ資産を上手に増やすことにはつながらないことが多いです。
投資信託をするのであればネットでノーロード(手数料無料)の投資信託を選んだり、パフォーマンスの良い投資信託を探したりするのが良いでしょう。もしどうしても対面での相談やアドバイスを求めるのであれば、投資の本職である証券会社に口座を開設して証券会社の人に話を聞くのが良いでしょう。(手数料の高い投資信託をすすめられることには要注意です)
おすすめはネット証券
ネット証券では低コストで多くの銘柄の中から自分にあったものを選択することができます。
証券会社で投資信託を購入するには証券口座を開設して、投資信託の買い注文を出すだけです。ネット証券の口座開設は一週間程度で完了しますので、まずは口座開設の申し込みをして手続き中に自分の投資スタイルや投資する銘柄を選ぶようにしましょう。
銘柄、数量、口座、分配金受取方法を指定
ネット証券で投資信託を購入する場合、口座開設後にWEBサイト上で注文をすることでできます。買い注文は銘柄と数量、預ける口座、また銘柄によっては分配金の受取方法を指定します。
数量の指定方法は口数の指定と金額の指定があり、それぞれの最低取引金額(口数)や取引単位は銘柄、販売会社ごとに決まっています。
預ける口座は特定口座、一般口座、NISA口座のいずれの口座に預けるかということで、特定口座は証券会社により源泉徴収をして確定申告が不要な口座、一般口座は自分で確定申告が必要な口座、NISA口座は年額100万円までは非課税となる制度の対象となる口座です。
NISA口座の枠があればNISA口座、NISAを使わない人であれば特定口座を選択するのが良いでしょう。
分配金の受取方法については後述しますが、よくわからない人は「再投資」を選択するのが無難です。
投資信託を使った投資法
投資信託を使った代表的な投資法
投資信託を買うだけであれば注文を出せば可能ですが、実際にはどうすれば投資信託で利益を出すことができるかが重要であり、何も考えずに買っていてもなかなか安定的に利益を出すことは難しいです。
投資信託のパフォーマンスは市場環境に左右されるので、この銘柄を購入すれば勝てるとか必勝の投資法は存在しませんが、投資信託を活用した有効な投資法はいくつかありますので、代表的な投資法、戦略を紹介します。
- NISAを使って非課税で投資する
- 積立投資で長期的に資産形成する
NISAの活用
最もシンプルで効果的な投資法はNISA(少額投資非課税制度)を活用した投資法です。方法は簡単でNISA口座に預入れで投資信託を購入するだけで、投資の利益はすべて非課税となります。
投資信託は売買益と分配金にそれぞれ20%の税金が原則かかります。NISAであればその税金がすべてゼロということになりますので、100万円で10年間運用して50万円の利益が出た場合、10万円の税金分がそのまま手元に残ることになります。
損失が出る可能性や損失の金額についてはNISAであってもなくても変わりませんが、利益が出た時の手残りを多くすることができます。
まずは少額で投資を始めてみようという人はNISAで投資することをおすすめします。
積立投資
積立投資も投資信託を活用する上で王道的な投資手法です。
- 毎月一定金額を積み立てる
- 投資時期をずらすことで取得単価を平準化させる
- 毎月100円から少額で積立可能
積立投資とは毎月決まった金額の投資信託を購入していく投資方法です。毎月1万円ずつ積立預金をしている人もいると思いますが、それの投資信託版と考えるとわかりやすいかと思います。
毎月決まった金額を少しづつ積み立てていきますので、毎月の金銭的、精神的な負担が少なくコツコツと貯めることができ、20年30年後に大きな資産を築くことができます。
ネット証券で積立投資をする場合、銀行口座から引落をしてくれるサービスもありますので、毎月資金を証券口座に振り込む手間もなく、給与天引きのような形で積立投資をすることができ便利ですね。
また少し専門的な話として、積立投資にはドルコスト平均法の効果があるといわれています。ドルコスト平均法とは購入する時期をずらして定期的に購入することで、高い時は少なく安い時は多く買うことになり、購入価格を平均的にすることができます。
購入価格を平均的に抑えることで、大勝ちはしないまでも大負けもしなくなるので投資成績がより安定します。
機械的に購入して投資成績を安定させることになりますので、「いつ買うか」「相場が急変したらどうしよう」と悩む必要がなくなり、精神衛生上も非常に楽になります。
ネット証券の積立投資は100円からすることができるので、少額で投資をはじめたい人にも向いたサービスです。
当サイトとしても投資信託で資産運用をする場合は積立投資をすることをおすすめしています。
なお、NISAは口座(どこに預けるか)で、積立投資は買い方ですので、2つはまったくの別物でNISA口座で積立投資をすることもできます。
積立の安定性とNISAの節税効果を同時に得ることができますので、投資初心者の人がNISAを最大限活用しようとすると投信の積立をするのが最もおすすめの投資法といえます。
ネット証券の投資信託サービス比較
ある程度自分の投資法が見えたら具体的に投資信託を購入する販売会社を選んでいきます。
上述した通り、投資信託を購入するなら販売コストやサービスの利便性の面でネット証券が圧倒的におすすめなわけですが、ネット証券の中でも投資信託のサービス内容は大きく異なりますので、自分の投資スタイルにあったネット証券を探していく必要があります。
ネット証券の投資信託サービスを比較するポイントとしては、第一に取扱銘柄の本数です。手数料は重要ですが、多くのネット証券では販売手数料は横並びですので、自分が投資したい投資信託の取り扱いがあるかどうかを見ていきます。
下の表は主要ネット証券の投資信託のサービス状況を簡単にまとめたものです。
証券会社 | 銘柄数 | ノーロード 銘柄数 | 積立投資 | 最低積立額 | ポイント |
---|---|---|---|---|---|
SBI証券 | 2,500本超 | 1,100本超 | ○ | 100円 | ○ |
楽天証券 | 2,400本超 | 1,100本超 | ○ | 100円 | ○ |
マネックス証券 | 約1,000本 | 約600本 | ○ | 100円 | ○ |
カブドットコム証券 | 約1,020本 | 約590本 | ○ | 500円 | × |
松井証券 | - | - | - | - | - |
GMOクリック証券 | - | - | - | - | - |
岡三オンライン証券 | 115本 | 31本 | × | - | × |
ライブスター証券 | 2本 | 1本 | × | - | × |
投資信託の取扱本数は2017年8月時点のものですので、今後さらに増えていきますが、各ネット証券がどれくらい力を入れているのか分かると思います。
とにかく取扱本数が多いのがSBI証券と楽天証券で、取扱本数はともに2,000本を超えており、日本における投資信託はほぼすべて取引できると言えるラインナップとなっています。
マネックス証券、auカブコム証券も取扱本数が多く、人気の投信は取り扱っていますので、普通に投資する上では全く問題ないレベルといえます。
販売手数料が無料のノーロードの投資信託も半数近くなっていますので、手数料重視の人はノーロードの投資信託から自分の好みの投信を選ぶと良いでしょう。
そういう意味では取扱本数が十分に多いSBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券が良いですね。
積立投資サービスの充実度も要チェック
積立投資をする人であれば積立投資サービスが可能かという点と、最低積立金額が少額からできるか、銀行口座からの引き落としが可能かが重要になってきます。
- 積立投資サービスを提供しているか
- 最低積立金額が少額でも可能か
- 銀行口座からの引き落としが可能か
積立投資サービスを提供しているのはSBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券の4社です。
積立設定額の最低金額はSBI証券と楽天証券とマネックス証券が100円、auカブコム証券が500円からとなっています。500円でも十分小口ですが、少額の積立が可能であるほど同じ金額で積立をしていく時に多くの銘柄に分散させることができ分散効果が高まります。
月に5,000円積み立てていくとすると、1,000円からだと5銘柄までしか分散できませんが、500円からであれば10銘柄に分散させることができます。仮に投資対象を株式、債券、不動産でそれぞれ国内、海外に分散させようとすると最低6銘柄に分散しないといけません。
100円から積立可能だと50銘柄に分散できることになりますので、自由自在に積立銘柄を選択でき十分すぎると言って良いでしょう。
どれくらい分散投資をさせるかは人それぞれですが、より柔軟に分散投資を設定できるので積立の最低金額は低くても大丈夫な証券会社にしておくのが良いでしょう。
また銀行口座から引き落としができるかどうかも重要です。
銀行口座から引落自体はSBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券の4社すべてができますが、マネックス証券は銀行引き落としの場合は1万円以上でないとできないという制約があるので使い勝手が3社よりも落ちます。
引き落とし可能な金融機関の数はSBI証券と楽天証券は200を超えていますが、auカブコム証券はメガバンク3行+ゆうちょ銀行、PayPay銀行、スルガ銀行、大垣共立銀行となっており、使える金融機関が限られます。
りそな銀行や新生銀行、ネット銀行や地銀などを利用している人にとってはマイナスと言えるでしょう。
積立投資については、最低設定金額はSBI証券とauカブコム証券が有利で、銀行引落についてはSBI証券と楽天証券のサービスレベルが高くなっています。
取扱商品、サービスの水準を考えると、両方がトップレベルのSBI証券に口座開設しておけば間違いないと言えます。SBI証券はネット証券最大手で口座開設する人が最も多いネット証券で、株の手数料も安いのでいずれ株取引をしたい人にも向いています。
もちろん楽天証券やauカブコム証券でも十分な取扱本数と積立サービスを提供していますので、これら2社でも全く問題ないレベルといえます。
投資信託選び
どのような投資信託を選べばよいか
投資信託の投資商品としての特徴や、販売会社の選び方、また代表的な投資手法を紹介してきましたが、肝心なのは「結局どの投資信託を購入したらもうかるのか」という点だと思います。
どのような投資信託が良いのかを紹介する前にまずは投資信託にはどのような種類があるのかを見ていきましょう。
投資信託の種類
世の中には数千の投資信託がありますが、大きく分類すると以下の観点で分類をすることができ、分類ごとにどのような投資信託に投資したら良いかを考えると、自分にあった投資信託を探すことができます。
- 運用方針による違い
- 投資対象による違い
- 販売手数料(コスト)の違い
- 分配金の受取方法の違い
パッシブか、アクティブか
まずは運用方針の違いです。投資信託には大きく分けてパッシブ運用のファンドとアクティブ運用のファンドの2種類があります。
パッシブ運用とは目標とする指数などに連動するように作られる投資信託で、指数と同じ値動きをする投資信託です。指数を構成する銘柄を組み入れれば基本的には同じ値動きとなりますので、多くの場合パフォーマンス、値動きは指数に連動します。
代表的なもので日経平均株価やTOPIX、NYダウ、MSCIコクサイ指数などの指数に連動するように設計された投資信託があります。インデックスファンドと言われるファンドはこのパッシブ運用のファンドです。
一方、アクティブ運用のファンドは目標とする指数を上回るパフォーマンスを目指して運用する投資信託です。指数を上回るために全く同じ銘柄ではなく、違う銘柄を組み入れリスクを取ることでパッシブ運用のファンドを上回る成績を目指します。
ファンドマネージャーの腕や相場の変動によって目標指数を上回るかどうかが決まります。
パッシブ運用のファンドとアクティブファンドを比較した場合、指数を上回るように運用するアクティブ運用の方が一見魅力的に感じますが、長期的な運用成績ではアクティブ運用が指数を上回ることはほとんどないことが統計的に結果として出ています。
またある程度機械的に銘柄を選べるパッシブ運用と比べてファンドマネージャーの腕に頼る部分が大きく、信託報酬などのコストが高いアクティブファンドも多いです。
よほど有望な銘柄であれば別ですが、初心者が最初に買う投資信託としてはインデックスファンドを購入するのが無難と言えるでしょう。
投資対象が値動きの特徴を決める
次に投資対象による分類があります。投資対象は投資信託の値動きに直結し、その投資信託の特徴を決めることになるので非常に重要です。
大きく分けると株式、債券、不動産など資産と、国内か海外かという地域の軸があり、その組み合わせによって投資対象を考えることができます。
- 資産(株、債券、不動産など)
- 地域(国内、先進国、新興国など)
資産別に見ると、一般的には債券、不動産、株式の順にリスクが低くなり、それぞれ異なる値動きをします。また海外の投資対象の場合は為替リスクを負うことになります。それぞれに特徴やトレンドがあるので、どの投資対象であれば優れているということではありません。
当サイトでおすすめするのは特定の投資対象に偏らない「分散投資」で、様々な投資対象の投資信託を持っていると各資産の値動きの影響が小さくなり、安定的に利益を狙うことが出来るようになります。
各ネット証券でも「国際分散投資」を進めており、様々な資産、地域に投資をすることが推奨されています。
なお、投資信託のルール上の分類に株式投資信託と公社債投資信託があり、すべての投資信託はいずれかに属します。公社債投資信託は国債や地方債、社債などの債券が中心の投資信託で、株式への投資を一切せずに約款にも定めたものを公社債投資信託といいます。
公社債投資信託は債券が投資対象となるので、投資信託の中ではリスクが低く安全な投資信託といえます。MMFやMRFといった投資信託も公社債投資信託に分類されます。
株式への投資を一切しないと定めている投資信託のみ公社債投資信託に分類され、その他はすべて株式投資信託となります。現在債券だけに投資をしていても分類上は株式投資信託という投信も多いです。このような分類は参考程度に考え、実際に投資をする際には投資対象から投資信託の特徴を読み取り検討するようにしましょう。
投資コストを厳しくチェック
販売手数料による分類もできます。販売手数料が無料の投資信託を「ノーロード」といいますが、このようなノーロードの投資信託は手数料が安い分だけ手数料がある投資信託よりも確実にパフォーマンスが良くなります。
投資信託の価格が上昇するかは相場の状況次第で不確実なものですが、販売手数料をはじめとした投資コストを下げることで確実に投資成績が良くなりますので、特別な理由がない限りはノーロードの投資信託を選択するのが基本です。
また販売手数料だけでなく信託報酬も含めたコストが安い投資信託を選ぶ必要があります。これらは定量的に比較することができますので、購入前に確認をし、比較して手数料が安い投資信託を選択していくようにしましょう。
低コストの投資信託を購入したい人におすすめなのは、各運用会社で提供する「三菱UFJ国際-eMAXIS」「三井住友TAM-SMT」「MHAM-MHAM」などのシリーズです。
これらのシリーズでは低コストのインデックスファンドを資産、地域別に提供しており、シリーズをすべて購入していけばそれだけで国際分散投資をすることもできます。
主要なネット証券では取り扱っていますので、投資信託選びに迷ったらまずはこれらのシリーズを購入しておけば間違いない(絶対という意味ではなく、無難という意味で)と思います。
これらのシリーズは各運用会社が出している低コストのインデックスファンドシリーズなので、正直内容に大きな差はなく、どのシリーズが良いだろうと考えるのは時間の無駄です。中から販売手数料、信託報酬が安いものなど好きなものを選んで投資をすると良いと思います。
- 分配金は再投資した方が長期的にはお得
分配金を毎月受け取るのは良いことか?
最後に分配金の受取方法でも分類をすることができます。
分配金は毎月や年に1、2回受け取るか、分配金の支払いを行わずに再投資をするタイプがあります。最近は分配金の受取方法を選択できる投資信託も多いですが、どちらかしか選択できない投資信託もあります。
投資信託の分配金だけで生活をするというブログが人気だったりする影響があるのか、投資信託を購入する目的として生活費のすべてとまではいかないまでも、分配金でお小遣いや生活費の足しにしたいという目的の人は多いようです。
そのような人達が多いからか、投資信託では月に1度分配金がもらえる毎月分配型の投資信託が人気ランキングの上位の常連になっています。
毎月分配金がもらえるのは不労所得のようで魅力的ではありますが、効率性から考えると毎月分配型ではなく、分配金を再投資するタイプの投資信託の方が優れています。
分配金には配当金と同じ税金がかかることになりますが、分配金を再投資している間は税金がかかりませんので課税タイミングが遅くなり、その分複利効果が働き大きく稼ぐことができます。
分配金の税金には原則20%の税金がかかりますので、再投資する場合はその分をまた投資に回すことができ、20年30年と期間が経つとその差が大きくなります。
仮に3%の運用ができる投資信託が毎月10,000円の分配金を出すのとそれを再投資するのでは、20年後にはその最終受取金額は毎月分配型は税引前で240万円、再投資型では約322万円となり80万円もの差がつくことになります。
複利の効果は大きいので毎月の差はわずかでも投資期間が長くなればなるほど大きな差がつくことになります。
もちろん分配金は受け取れる間に受け取るという考え方もありますのでどちらかが絶対優位ということはありませんが、投資信託の運用がうまくいっていて資産を増やしているという前提の下だと、分配金はすぐに受け取るよりも再投資して資産を増やす方がパフォーマンスは良くなります。
長期的な資産構築を目指しているという人であれば毎月分配型よりも分配金再投資型を選んだ方が有利になることが多そうです。
ETFとの比較
なお、投資信託の仲間というか進化系として、ETF(Exchange Traded Fund)という商品もあります。
ETFとは上場投資信託のことで、投資信託でありながら取引所に上場して株のように取引が可能な商品です。ETFにも様々な種類がありますが、商品の中身はインデックスファンドと同じように特定の指数に連動するように設計された投資信託が多くなっています。
- ETFは取引所に上場している投資信託で、株と投資信託のいいとこどりをした商品
インデックスファンドと同じように指数に連動した投資が可能である上、取引手数料は国内株式の手数料で取引できるのでインデックスファンドよりも低コストで取引が可能になっています。
投資信託と株のいいとこどりをした商品です。
取引所に上場しているので、株のように受給によって値動きがあり、投資信託のように金額指定の購入や積立投資も同じようにはできませんが、とにかくコストが安いので、投資したい指数が決まっているという人はETFも検討されてみると良いと思います。
ETFについては別の記事で詳細を紹介していますので、気になる方はこちらの記事も参考にしていただければと思います。
投資信託を選びのコツ
人気に惑わされず自分にあったものを
日本では毎年売れ筋の投資信託は入れ替わり、手数料率が高いものだったり毎月分配型など、理論的にはあまりもうからないとされている投資信託が売れています。いかに金融機関の営業力、影響力が大きいかがわかりますね。。
このような状況ですので、人気の投資信託=良い投資信託ではないということをネット証券を使う投資家は理解して銘柄を選ぶ必要があります。安定的に利益を得たいという人であればNISAを使ってノーロードのインデックスファンドを積立投資していくのが最もシンプルで効果的な戦略といえますね。
投資信託で大きな利益を狙いたいという人は優秀なファンドマネージャーを擁する成績の良いファンドを探して、リスクを負って勝負するのが良いかもしれませんね。
いずれにせよ、投資信託をはじめる場合はネット証券が最も手数料が安く、取扱投信、サービスも充実しているのでフル活用していきましょう。ネット証券であれば少額からの積立が可能ですし、パフォーマンスの高い銘柄を探す検索機能も充実していますからね。
プロに運用をお任せする投資信託でぜひ資産作りを進めていきましょう!
長文にも関わらず最後までお読みいただきありがとうございました。
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